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Mar, 2007

【メタボリック・シンドロームと精神科薬物療法】 精神疾患とメタボリック・シンドローム

臨床精神薬理
  • 渡邉 純蔵
  • ,
  • 鈴木 雄太郎
  • ,
  • 澤村 一司
  • ,
  • 須貝 拓朗
  • ,
  • 福井 直樹
  • ,
  • 小野 信
  • ,
  • 染矢 俊幸

Volume
10
Number
3
First page
387
Last page
393
Language
Japanese
Publishing type
Publisher
(株)星和書店

精神科領域においては、以前より統合失調症患者やうつ病患者で心血管疾患による死亡率が一般人口に比べ高かった。また、少数ではあるが統合失調症患者でメタボリック・シンドロームの有病率の高さを示す報告がある。向精神薬がメタボリック・シンドロームの発症に与える影響が多数報告されているが、精神疾患そのものもメタボリック・シンドロームの発症に影響を与えていると考えられる。過去の研究から、精神疾患におけるHPA axisの調節障害、うつ病患者における交感神経系の活動性の増加、精神疾患とメタボリック・シンドロームの構成因子との間の遺伝学的共通性、統合失調症やうつ病における身体の活動性低下などが、単独あるいは複合してメタボリック・シンドロームを発症させることが示唆される。精神疾患患者の診療にあたっては、メタボリック・シンドロームの予防、発見、早期介入へのより一層の配慮が必要である。(著者抄録)

ID information
  • ISSN : 1343-3474
  • Ichushi Web ID : 2007177219

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