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Apr, 2006

【抗うつ薬の用量 その決め方と変え方】 抗うつ薬血中濃度の今日的意義

臨床精神薬理
  • 福井 直樹
  • ,
  • 染矢 俊幸

Volume
9
Number
4
First page
593
Last page
599
Language
Japanese
Publishing type
Publisher
(株)星和書店

うつ病の治療は抗うつ薬による薬物治療が主体をなしているが,抗うつ薬の選択や投与量については科学的根拠が十分に得られていないのが現状である.実際の臨床では,精神症状の改善や副作用を臨床的に評価することによって,薬物の用量の調整を行い,またその薬物を継続するか他剤に変更するかなどの判断を行っている.しかし,同じ薬剤で同じ投与量であっても血中濃度は個人間で非常に大きなばらつきがあるので,投与量のみによって適切な治療計画を立てることは困難であり,客観的な指標である薬物血中モニタリング(TDM)を利用して治療計画を立てることが望まれる.三環系抗うつ薬(TCA)においてはTDMに関する研究が蓄積されその有用性が確立されているが,近年第一選択薬となっている選択的セロトニン再取り組み阻害薬(SSRI)におけるTDMの意義は確立しておらず,臨床レベルで利用されるには至っていない(著者抄録)

ID information
  • ISSN : 1343-3474
  • Ichushi Web ID : 2006114444

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