Mar, 2004
研修医を応援する 処方奏効・失敗例 水中毒による悪性症候群の誘発を反復した統合失調症の1例
臨床精神薬理
- ,
- ,
- Volume
- 7
- Number
- 3
- First page
- 457
- Last page
- 461
- Language
- Japanese
- Publishing type
- Publisher
- (株)星和書店
33歳男.統合失調症に対し,薬物療法が続けられたが,家庭での暴力が徐々に増してきた.退院した頃から徐々に飲水量が多くなった.嘔吐,発熱,意識障害が出現した.CPKとLDH高値,横紋筋融解の所見と筋強剛を認めたため,悪性症候群と診断した.輸液とdantroleneにより症状は軽快し,入院後33日目に退院した.外来治療が継続されたが,日常的に病的多飲水が続いていた.頻回に嘔吐し,けいれん発作を起こし,緊急入院した.入院後3日目には,意識障害は改善し,入院後4日目には意識清明となった.入院後23日目に,急に我慢できない程のイライラ感を訴えるようになったため,olanzapineを開始した.イライラ感は速やかに消失した.悪性症候群の再燃や,病的多飲水を認めなかったので,入院後60日目に退院した
- ID information
-
- ISSN : 1343-3474
- Ichushi Web ID : 2004229949