2016年4月 - 2020年3月
稀少特徴と言語地域の音韻類型論:コイサン音韻論の貢献
日本学術振興会 科学研究費補助金 基盤研究(A)
本研究の目的は、音韻類型論における従来の「広域サンプル類型論」の行き詰まりを打開するために、新しい類型論的接近法をこの分野に導入して未開拓の理論的問題の解明を推進することにある。具体的には、「稀少特徴の類型論」と「系統内類型論・地域類型論」を統合した新接近法を使い、コイサン3語族=言語地域の稀少音韻特徴の事例研究によって、音韻類型論の新しい研究動向を始動し展開する。そして、従来の音韻類型論が十分に考察することができなかった2つの重要課題、すなわち、(i)言語音の多様性の限界についての理解拡大と(ii)特定の言語群にのみ偏在する稀少特徴の説明の探求に挑む。この過程で、コイサン稀少音韻特徴の全貌にせまる精密な記録も保存され、コイサン先史研究に貢献する言語学的知見ももたらされる。
- ID情報
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- 課題番号 : 16H01925