論文

2021年9月

渡航前相談における成人の麻疹・風疹・ムンプス・水痘抗体検査がキャッチアップ接種に与える影響

感染症学雑誌
  • 山元 佳
  • ,
  • 氏家 無限
  • ,
  • 鈴木 哲也
  • ,
  • 井手 聡
  • ,
  • 守山 祐樹
  • ,
  • 太田 雅之
  • ,
  • 齋藤 翔
  • ,
  • 早川 佳代子
  • ,
  • 大曲 貴夫

95
5
開始ページ
353
終了ページ
359
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本感染症学会

背景:成人への麻疹,風疹,ムンプス,水痘(MMRV)ワクチンのキャッチアップ接種は重要であるが,小児期の接種記録が不明な場合には接種費用や回数の問題により受け入れられないことも多い.抗体検査の有無により接種受け入れに繋がるかを検討した.方法:2018年11月〜2019年3月に初診となった渡航前相談時に小児期のワクチン接種歴を持たない20〜40代を対象とした単施設前向き観察試験でMMRV抗体を測定した抗体検査群として抗体保有状況およびワクチン接種率を算出した.年齢,渡航地,渡航目的をマッチした2018年4月〜2019年3月の対照群とのMMRVワクチン接種率を比較し,漏れのないMMRVの免疫補填に要する費用を算出した.結果:37名が抗体検査群となり(年齢中央値39歳),抗体検査よりキャッチアップ接種を要すると考えられた人数は,麻疹,風疹,ムンプス,水痘それぞれ18,8,22,4例で,接種率はそれぞれ66.7%,100%,59.1%,75.0%であった.対照群と比べ,全体のMMRV接種率は8〜73% vs 4〜17%と水痘を除いて有意に高かった.抗体検査なしにMMRVワクチンを2回接種する費用と比べて,抗体検査に応じて接種する方が総じて要する費用が少なかった(27,000円 vs 19,000円/人).結語:渡航前相談における抗体検査は,MMRVキャッチアップ接種率の向上ならびに接種費用削減に寄与し得る.(著者抄録)

リンク情報
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https://search-tp.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2021&ichushi_jid=J00276&link_issn=&doc_id=20211012450001&doc_link_id=1390290879762549888&url=https%3A%2F%2Fcir.nii.ac.jp%2Fcrid%2F1390290879762549888&type=CiNii&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00003_3.gif
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ID情報
  • ISSN : 0387-5911
  • eISSN : 1884-569X
  • 医中誌Web ID : 2022074962

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