基本情報

所属
東北大学 (名誉教授)
学位
文学修士(東北大学)

研究者番号
10007833
J-GLOBAL ID
201701004244590140
researchmap会員ID
B000273499

「科研費」で研究してきたテーマは、ヒューマンエラー(書字のスリップ)、「ゆるし」の比較文化、言葉で説明しにくいことの説明、人間性の本質についてのそれぞれの学問分野の考え方に関する研究、たまたま最初の発見者になったカラスがクルミを車に轢かせて中身を食べる「ハシボソガラスの自動車利用行動」、発達障害児のリジリエンシーの形成要因(2008)、発達障害者に有利な職業開発のための基礎研究、観光の風評被害ー原発事故からのリジリエンスー(2014)など。

 東北大学在職中は、大学の防災研究プロジェクトチームに所属。東日本大震災前の2004年には今村文彦先生(後に東北大学災害科学国際研究所長)主宰「地域防災ゼミ」で、「地域の災害リジリエンシーを高める」というタイトルの講演などをしていました。大震災前の今村ゼミには、岩手県釜石市の職員が毎回欠かさず仙台まで出張して参加していました。大震災後に「釜石の奇跡」といわれたのは、じつは「奇跡」でも何でもなくて、前々から釜石市が古くからの津波被災経験を忘れず東北6県全市町村の中で最も防災に熱心な活動をしており、学校でも災害に対する教育がゆきとどいていたことによる「釜石のあたりまえ」、つまりは長期にわたる絶えざる努力の結果だといえます。同じ岩手県海岸部の宮古市も、県や政令指定都市仙台を除けば、東北231市町村で唯一、大震災前に「危機管理監」を置いていた自治体でした(仁平・吉原他、2008)。

 2009年『防災の心理学』(東信堂)を編集し、「『津波避難スクリプト』による防災教育」という章に、宮古市磯鶏地区の主婦が地震による津波を経験する架空のストーリーを書きました。ところが、2011年3月11日、磯鶏でもストーリー通りのことが書いた通りの午後に起こってしまいました。予言したような結果に責任に似たものを感じ、2012年、日本学術会議では「災害に対するレジリエンス構築分科会」の委員として提言に加わりました。それでも、地域のレジリエンスには貢献できなかった、研究だけの研究者だったという無力感を持ち続けています。大震災前の今村先生が釜石に行って災害対応教育の活動をしていたように、貢献すべき場に自分からアプローチするアウトリーチ活動をすべきだったのでしょうね。20年前に戻りたいものです。
 「ヒトと動物の関係学会」会員で、いまはイヌとネコの研究です。仙台の八木山動物公園のニホンザル放飼場にはサルのための滑り台があり子ザルたちが遊んでいますが、当時、東北大学で指導学生だった今野晃嗣さん(現在、麻布大学伴侶動物学研究室)と一緒に研究用に設置した特注品です。滑り台の製作会社は、おもしろがって35万円に値引いてくれました。MISC「さるのすべり台」に写真をつけておきました。機会があれば八木山動物公園でもご覧ください。

  2023年から「横浜絵本研究会」の顧問として「絵本研究法入門」シリーズの話をしています。Zoomで全国どこからでも誰でも自由に参加できる会です。


委員歴

  21

主要な論文

  54

主要なMISC

  107

主要な書籍等出版物

  20

主要な講演・口頭発表等

  33

共同研究・競争的資金等の研究課題

  28