MISC

2015年7月

腎癌上腕骨転移手術の問題点

新潟整形外科研究会会誌
  • 小林 宏人
  • ,
  • 畠野 宏史
  • ,
  • 村井 丈寛
  • ,
  • 有泉 高志
  • ,
  • 守田 哲郎

31
1
開始ページ
43
終了ページ
47
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
新潟整形外科研究会

症例1(64歳男性)。左上腕痛を主訴に受診、精査により腎癌上腕骨転移と診断された。切迫骨折状態となり、転移部が上腕骨骨幹部に近かったため髄内釘固定術が行われたが、ガイドピン刺入部から大量出血を認め、2単位の輸血を必要とした。術後1年の時点での左上肢機能はMSTAの術後評価で50%であった。症例2(56歳男性)。右上腕痛を主訴に受診、精査により腎癌上腕骨転移と診断された。上腕頸部に病的骨折と骨外腫瘤を認めたため、骨腫瘍を一塊切除してKLS補填型人工骨頭置換術が施行された。術後5ヵ月の時点で、右肩の挙上制限がみられ、MSTSの上肢機能評価は50%であった。症例3(50歳男性)。左肩痛を主訴に受診、精査にて腎癌上腕骨転移と診断され、左肩血管造影兼塞栓術を行った後、骨腫瘍を一塊切除し、KLS補填型人工骨頭置換術を施行した。その結果、出血量は少なかったものの、術後9ヵ月の時点でMSTSの上肢機能評価は33%で、その約1ヵ月後、患者は死亡の転帰となった。

ID情報
  • ISSN : 0914-6636

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