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2015年8月

【持続感染・潜伏感染の機序と病態】 結核菌の潜伏感染に関わるメカニズムと新しい結核制御技術の可能性

化学療法の領域
  • 松本 壮吉
  • ,
  • 西山 晃史
  • ,
  • 尾関 百合子

31
9
開始ページ
1863
終了ページ
1870
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)医薬ジャーナル社

結核は三大感染症の一角であり、代表的な再興感染症である。病原体である結核菌はアフリカの東岸に5〜10万年前に出現し、人類の出アフリカにともない世界に伝播した。通常、菌は飛沫核感染で肺を侵入門戸として生体に侵入し感染するが、すみやかに発症に至るケースは5%程度とまれである。一方、感染成立後、ヒトの免疫系は菌を生体から駆逐することはできず、感染は宿主の命が果つるまで継続する。このような無症候感染者は人類の1/3に及び、一部は再燃により結核が発症する。このため無症候感染は潜在性結核と呼ばれる。このような事実は、病原体の源泉である潜在性結核の対処が結核の制御に重要であることを示しており、潜伏感染機構の理解はそのよりどころとなるだろう。本稿では、結核菌の潜伏感染機構についての知見と、潜在性結核の解析をベースにした新しい制御法開発の可能性について述べる。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0913-2384
  • 医中誌Web ID : 2015341995

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