西山 雄大

1989年松江生まれ，広島出身。九州大学大学院修士課程を修了後，建築設計事務所勤務を経て大学院博士後期課程に編入学。同課程を修了後，現所属。

近代国家の形成と成熟の過程に建築家がどのように参与しその職能像を形成したのか，戦前期の官庁営繕や大学営繕を主な題材にして研究に取り組んでいます。法制度整備・人材育成・組織運用・防災技術・意匠など多角的な史資料の収集と分析により，編年的な歴史記述からこぼれ落ちてしまいがちな近現代の建築生産におけるヒト／組織／モノの相互作用を立体的に描き出したいと考えています。

建築が社会において果たすべき役割が何かということは，現在に至るまで常に模索されてきたテーマの一つです。先人たちが都市・建築の計画や法整備を通してどのような社会を構想したのか，それらがどのように実現あるいは挫折したのか，その仔細なプロセスを検討することで，この現在進行形の問いかけに対する重要な示唆を得られるのではないかと思います。