2007年
北海道中央部の水田転換畑における大豆の豆腐破断強度とその変動要因
日本土壌肥料学雑誌
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- 巻
- 78
- 号
- 2
- 開始ページ
- 163
- 終了ページ
- 169
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.20710/dojo.78.2_163
- 出版者・発行元
- 日本土壌肥料學會
2002,2003年に北海道中央部の水田転換畑で生産された大豆「トヨムスメ」の子実成分について,他の国産大豆品種と比較し,1)タンパク質含有率はやや低く,その変動が大きい,2)フィチン酸含有率はほぼ同じ,3)カルシウム含有率は低い水準にあるが,変動幅が大きいことが明らかとなった.また,収集した大豆の豆腐破断強度は,同一品種であっても1,040〜7,820N m^<-2>の広い範囲にあり,変動が大きかった.豆腐破断強度と子実成分の関係を見ると,タンパク質含有率が高い正の相関(r=0.85,p<0.01)を示したが,フィチン酸やカルシウム含有率との間には有意な相関が認められなかった.この地域において子実タンパク質含有率の大きな変動をもたらした低タンパク質大豆の発生要因を調査した.低タンパク質大豆の多くは,水田転換後に初めて大豆を栽培する圃場で認められ,土壌根粒菌密度の低下,根粒着生不良および葉色の低下が関与した.一方,転換後に大豆栽培が一度ある圃場では,土壌根粒菌密度,根粒着生数,葉色値とともに,タンパク質含有率は概ね高い値を示した.以上のことから,水田転換後の大豆栽培歴の有無は土壌根粒菌密度,大豆の根粒着生数や葉色に影響を及ぼし,子実タンパク質含有率や豆腐破断強度にも大きな変動をもたらしていることが明らかとなった.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.20710/dojo.78.2_163
- ISSN : 0029-0610
- CiNii Articles ID : 110006570275
- CiNii Books ID : AN00195767