共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

足裏への触覚提示により安全な移動を支援するスマートインソールの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K12147
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

平成30年度においては予備検討として、触覚提示デバイスの選定およびプロトタイプ実装までを実施予定とした。これらのうち、まず最初にデバイス選定の指標とするために足裏の感度について検討を行った。インソールによる足裏への触覚提示デバイスとして必要な条件としては、第一に薄型であることが考えられる。本研究では振動による提示に加え、物理的な段差による提示を検討している。まず、振動による情報を足裏のどの箇所へ提示すれば知覚しやすいのかを知る必要がある。そこで、足裏を5つの部位に分けてそれぞれに振動子による刺激を加える評価実験をおこない、感度の良い部位を選定した。その結果、足裏のつま先部分と土踏まず部分の感度が高く、かかとなどの圧力が高く掛かる部位では振動を感じにくいことが分かった。また、薄型のデバイスを使用するため生成可能な段差にも限度がある。そこで、どれだけの段差があれば足裏で感じ取ることができるかについての評価実験および、足裏の部位による感度の違いを検討した。その結果、靴下をはいた状態で厚さ0.5mm、一辺10mmの正方形の段差を感じ取ることができ、足をデバイス上でスライドさせることで感度が向上することが明らかとなった。また指や拇指丘、踵の感度が高いことも判明した。
さらに、足裏への触覚提示システムにはスマートフォンとの通信機能、通信で指示されたとおりにインソールを制御する機能が必要である。このうち、マイコンボードにより触覚提示デバイスをコントロールする電子回路のプロトタイピングを進めた。外部からトリガを加えた際および登録した振動パターンで振動子を駆動させ、足裏で知覚できることを確認した。
令和元年度は歩行を想定して足裏の圧力が変化する条件で評価を実施し、システム実装までを進める予定である。

ID情報
  • 課題番号 : 18K12147