1997年 - 1998年
ヴィエトナム宮殿建築の木造架構法ヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 奨励研究(A) 奨励研究(A)
ヴィエトナム/フエ・グエン朝宮殿建築の木造架構の設計・施工方法の把握を目的とし、その一助として現存遺構の実測及び写真撮影による調査と現存遺構である肇廟の模型を制作し復原模型への足掛かりとした。
1 各々の宮殿を対象とした実測調査に基づく平面及び断面寸法の分析により、遣構尺度が一尺につき424mm程度の範囲に収まるものと一尺につき384mm程度の範囲におさま二種類の営造尺が認められた。
2 ヴィエトナム大工道具の分類を用具の名称・使用方法を中心に分類・整理した。その結果、手斧が中国や日本に見られるものと異なること、鑿に左右対称のものだけでなく非対称刃を持つものが見られること、彫刻部分の仕上げ用の工具に独自性が見られることなどが判明した。
3 本造架構接合部において、接合技法を接合形態に基づき分類し、基本形とその合成により体系化を試みた。また、接合技法の変遷を考察し、それに基づき宮殿建築の架構技法の規模変化と編年を考察した。
4 ユネスコ世界遺産登録制度への提言のために、3DCADを用いて王宮の主要建造物である勤政殿の架構復原図の作成を試みた。
以上の成果はヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究(その11〜19)が1998年度日本建築学会大会において、口頭発表が成されると同時に梗概集に掲載されている。併せて、早稲田大学大学院理工学研究科建設工学専攻建築史研究室 1998年度修士論文として「ヴィエトナム・フエ/阮朝時代の連棟式建築の設計方法の研究」(小榑哲央)及び「木造架橋構造技法の研究〜木匠工具・接合技法を通して」(高木直人)にまとめられている。継続的に研究が進められている。
1 各々の宮殿を対象とした実測調査に基づく平面及び断面寸法の分析により、遣構尺度が一尺につき424mm程度の範囲に収まるものと一尺につき384mm程度の範囲におさま二種類の営造尺が認められた。
2 ヴィエトナム大工道具の分類を用具の名称・使用方法を中心に分類・整理した。その結果、手斧が中国や日本に見られるものと異なること、鑿に左右対称のものだけでなく非対称刃を持つものが見られること、彫刻部分の仕上げ用の工具に独自性が見られることなどが判明した。
3 本造架構接合部において、接合技法を接合形態に基づき分類し、基本形とその合成により体系化を試みた。また、接合技法の変遷を考察し、それに基づき宮殿建築の架構技法の規模変化と編年を考察した。
4 ユネスコ世界遺産登録制度への提言のために、3DCADを用いて王宮の主要建造物である勤政殿の架構復原図の作成を試みた。
以上の成果はヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究(その11〜19)が1998年度日本建築学会大会において、口頭発表が成されると同時に梗概集に掲載されている。併せて、早稲田大学大学院理工学研究科建設工学専攻建築史研究室 1998年度修士論文として「ヴィエトナム・フエ/阮朝時代の連棟式建築の設計方法の研究」(小榑哲央)及び「木造架橋構造技法の研究〜木匠工具・接合技法を通して」(高木直人)にまとめられている。継続的に研究が進められている。
- ID情報
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- 課題番号 : 09750718
- 体系的課題番号 : JP09750718