2018年4月 - 2021年3月
革新的サンプル採取・分析法による大山山麓縄文時代の人間活動と環境変化の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
計画に従って鳥取県西伯郡大山町岩伏し遺跡で2019年9月に発掘調査を実施した。発掘調査の成果として、縄文時代後期の焼土遺構は約4.0m×3.5mの不整方形を呈することが判明した。内部に堆積する焼土層は炭化した木片を含み、ブロック状ないし層状の明赤褐色土を伴う。床面はまだ精査できておらず、遺構の性格については来年度の調査で検討する必要がある。また、焼土遺構を切る土坑状の遺構が複数検出され、遺跡の継続的な利用が推定された。
昨年度の調査時に採取した炭化物の放射性炭素年代測定を実施し、焼土の形成が2288-2189CalBC、焼土遺構を切る遺構が2192-2180CalBCと、いずれも縄文時代後期前葉の年代が得られた。また、これらの遺構の上に乗るクロボク上層から採取された試料は13~14世紀の年代を示しており、黒ボクの形成が中世まで進行していたことを示唆する。江戸時代に形成された遺構があることも判明し、この地点での人間活動を長期的に把握することができた。
昨年度の調査時に採取した土壌サンプルの植物珪酸体分析、花粉分析を実施し、ローム層から黒ボク下層にかけての植生変化は、完新世における気候温暖化の影響に加えて、火入れなど人間による植生干渉の影響が反映されている可能性が高まった。
発掘調査と並行して、昨年度に引き続き、打ち込みサンプラーによるボーリング調査を実施した。10mメッシュを組んで、昨年度より北側に範囲を拡大して合計20本のボーリングサンプルを採取した。層相観察の結果、下位から砂礫層、ローム、漸移層、黒ボクという一連の層相変化が共通して認められた。黒ボク層の分布状況から、調査地点が近代以降の開発の影響を受けず、旧地形を良好にとどめていることが確認できた。
昨年度の調査時に採取した炭化物の放射性炭素年代測定を実施し、焼土の形成が2288-2189CalBC、焼土遺構を切る遺構が2192-2180CalBCと、いずれも縄文時代後期前葉の年代が得られた。また、これらの遺構の上に乗るクロボク上層から採取された試料は13~14世紀の年代を示しており、黒ボクの形成が中世まで進行していたことを示唆する。江戸時代に形成された遺構があることも判明し、この地点での人間活動を長期的に把握することができた。
昨年度の調査時に採取した土壌サンプルの植物珪酸体分析、花粉分析を実施し、ローム層から黒ボク下層にかけての植生変化は、完新世における気候温暖化の影響に加えて、火入れなど人間による植生干渉の影響が反映されている可能性が高まった。
発掘調査と並行して、昨年度に引き続き、打ち込みサンプラーによるボーリング調査を実施した。10mメッシュを組んで、昨年度より北側に範囲を拡大して合計20本のボーリングサンプルを採取した。層相観察の結果、下位から砂礫層、ローム、漸移層、黒ボクという一連の層相変化が共通して認められた。黒ボク層の分布状況から、調査地点が近代以降の開発の影響を受けず、旧地形を良好にとどめていることが確認できた。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K01065
- 体系的課題番号 : JP18K01065
この研究課題の成果一覧
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書籍等出版物
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2023年3月
講演・口頭発表等
5-
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日本文化財科学会第38回大会 2021年9月18日
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日本文化財科学会第38回大会 2021年9月19日
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