2019年4月 - 2022年3月
アジア域内の若年高度人材の移動と労働市場参入の促進及び抑制要因に関する実証的研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
2019年度の研究実績は以下の通りである。2000年代の韓国と中国の若年求職者の動向について公表されている統計や資料を元に考察を行った。韓国については、2010年に調査を行っているため比較分析を行い、当時と状況がどのように変化しているのか、制度や政策の動向について調査した。2019年7月に予備調査として韓国のソウル、釜山、済州に行き、釜山の産業人力公団を訪問した。韓国の大卒労働市場の需給バランスは依然として不均衡であり、それが海外就労への一つのプッシュ要因であることがわかった。
中国については、大卒人材の国内就職と海外就職の動向について2019年12月から2020年1月にかけて中国現地で調査した。中国は韓国の状況と異なり、中国国内の労働市場は2000年代よりも2010年代の方が大卒人材にとって求人倍率が高く、また中国企業の成長にともない、より良い条件での求人が増えているため、海外での就労が中国の大卒人材にとって魅力的なインセンティブとならないケースが出ていることが明らかになった。
また、中国の経済発展にともない、国境を接するロシアから労働者が流入しているため、ロシアへの現地調査も行った。ロシアの経済的困窮層からすると、中国は経済発展した国であり、海外就労先となっていることがわかった。
中国の大学入試制度が中国の若年層の移動に影響があるのか、聞き取り調査を行い、留学や就職などで中国から日本へ移動する若年層が1990年代以前と2000年代以降で大きく異なっていることも明らかとなった。私費留学生の増加にともない、留学の目的が変わってきていること、留学先を自由に選べるようになったため、より本人の希望に即した移動になっていると言える。中国から日本へ移動する場合、韓国と違う点は送り出し団体や送り出し制度を経由することなく移動している点が特徴である。次年度以降はこの点をより明らかにしていく。
中国については、大卒人材の国内就職と海外就職の動向について2019年12月から2020年1月にかけて中国現地で調査した。中国は韓国の状況と異なり、中国国内の労働市場は2000年代よりも2010年代の方が大卒人材にとって求人倍率が高く、また中国企業の成長にともない、より良い条件での求人が増えているため、海外での就労が中国の大卒人材にとって魅力的なインセンティブとならないケースが出ていることが明らかになった。
また、中国の経済発展にともない、国境を接するロシアから労働者が流入しているため、ロシアへの現地調査も行った。ロシアの経済的困窮層からすると、中国は経済発展した国であり、海外就労先となっていることがわかった。
中国の大学入試制度が中国の若年層の移動に影響があるのか、聞き取り調査を行い、留学や就職などで中国から日本へ移動する若年層が1990年代以前と2000年代以降で大きく異なっていることも明らかとなった。私費留学生の増加にともない、留学の目的が変わってきていること、留学先を自由に選べるようになったため、より本人の希望に即した移動になっていると言える。中国から日本へ移動する場合、韓国と違う点は送り出し団体や送り出し制度を経由することなく移動している点が特徴である。次年度以降はこの点をより明らかにしていく。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K13926
- 体系的課題番号 : JP19K13926
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
情報通信学会誌 40(3) 13-24 2022年12月 査読有り
講演・口頭発表等
1-
アジア政経学会2020年度秋季大会 2020年11月7日