2018年
説得の2過程モデルの複数源泉・複数方向状況への適用
心理学評論
- ,
- 巻
- 61
- 号
- 2
- 開始ページ
- 157
- 終了ページ
- 168
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.24602/sjpr.61.2_157
日常生活場面では,たとえば選挙や商品購買などの際に,複数の説得的メッセージの発信源から複数方向の説得を受けることがよくある。本稿では,こうした場面における受け手の態度変容プロセスの解明に向けて,説得の2過程モデルをベースにしつつ,この状況の特徴を踏まえて議論する。説得の2過程モデル(たとえば,ヒューリスティック・システマティックモデルや精査可能性モデル)は,単一源泉・単一方向の説得場面を想定しているため,複数源泉・複数方向の説得状況にそのまま適用することはできない。そこで,こうした状況に特有のプロセスとして,複数の説得的メッセージを同時に考慮することに注目し,これが受け手の態度変容に及ぼす影響に関する仮説モデルを,具体的な実証実験デザインとその予測を交えて提示する。これらの議論に基づいて,複数源泉・複数方向の説得状況に注目した態度変容プロセスの解明に取り組むことの意義と今後の展望を論じる。
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- DOI : 10.24602/sjpr.61.2_157
- ISSN : 0386-1058