2016年4月
希望聴取が困難な終末期肺がん患者に対するADLの観察および非言語的コミュニケーションを用いたリハビリテーション介入がQOLの向上に有用であったと考えられる1例
Palliative Care Research
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- 巻
- 11
- 号
- 2
- 開始ページ
- 515
- 終了ページ
- 519
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.2512/jspm.11.515
- 出版者・発行元
- (NPO)日本緩和医療学会
【緒言】進行がん患者とのリハビリテーション(以下リハビリ)の目的はQOLの向上であり,患者の希望を探ることから始まる.今回,希望聴取が困難な患者へのリハビリの工夫を報告する.【症例】83歳男性,肺腺がん,脳転移.化学療法,放射線療法を施行したが病勢は進行し,全身倦怠感と呼吸困難にて入院,その後当院緩和ケア病棟へ転院した.転院時,食事は自立,トイレ歩行は軽介助で可能だったが,てんかん発作を生じ右片麻痺と意識障害を呈した.ADLは全介助,意思疎通も困難だったが,患者はその状況下でも自分で食べようとした.作業療法士はADLの観察および非言語的コミュニケーションを用いて患者の希望を読み取り,これをもとにリハビリ介入を行った.その結果,より早期に食事動作が獲得され,患者の満足度は向上した.【考察】希望聴取が困難な場合でも,リハビリの知識や技術を活用することで,患者の希望を支えられる可能性が示唆された.(著者抄録)
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.2512/jspm.11.515
- ISSN : 1880-5302
- 医中誌Web ID : 2017375968
- J-Global ID : 201602283225177271
- CiNii Articles ID : 130005145577