論文

1992年12月

暖候地と寒冷地における森林内外の融雪の熱収支解析

京都大学農学部演習林報告
  • 石井 琢哉
  • ,
  • 福嶌 義宏
  • ,
  • 大手 信人

64
開始ページ
p61
終了ページ
74
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
京都大学農学部附属演習林

暖候地の代表として京都府北部の芦生演習林と寒冷地の代表として北海道の雨龍演習林の森林内外で融雪の熱収支観測をした結果, 以下の知見を得た。1) 暖候・寒冷地における融雪過程は, その活発な時期が数カ月ずれることによる太陽高度, アルベドの違いとして理解できる。2) 森林内の地表の融雪面で大きく変化する気象要素は全天日射量と風速であり, 特に全天日射量は林相によって減少率が異なり, 人工性スギ林では林外地の16%で, 常緑針葉樹林では38%, 落葉性広葉樹林では65%であった。3) 融雪熱量の大部分を占めるのは純放射量である。4) 日中の融雪量は無林地に対し森林内では減少するが, 林相によって日射の遮断率が異なるため融雪量の減少率も異なる。5) 夜間の純放射量は樹冠からの長波放射量のため森林内のほうが大きい傾向がみられ, 林内の夜間融雪量が無視し得ない場合もある。

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http://ci.nii.ac.jp/naid/120004543015
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  • ISSN : 0368-511X
  • CiNii Articles ID : 120004543015
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