共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年 - 2021年

濡れ性とマトリックス動態を介した細胞分化の非破壊評価

日本学術振興会  科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))  国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))

課題番号
18KK0416
体系的課題番号
JP18KK0416
配分額
(総額)
6,890,000円
(直接経費)
5,300,000円
(間接経費)
1,590,000円

本研究では、応募者が世界で初めて実現した細胞組織濡れ性評価法と海外共同研究者が独自に開発した空間的・力学的細胞外マトリックス動態評価法を用いて、 細胞分化時のダイナミックに変化する濡れ性とマトリックス動態から細胞の品質を非破壊的に評価することを目的としている。
本年度は、新型コロナウイルスのパンデミックのため、共同研究先への渡航は実現しなかったものの、引き続きオンラインでのミーティングを通じて海外共同研究者であるスイス連邦工科大学チューリッヒ校のヴィオラ・フォーゲル教授と実験方法や実験結果に関するディスカッションを行うとともに、日本国内での実験を進め、細胞外マトリックスを構成する分子と濡れ性との関係性を解明する準備を進めた。
昨年度は、特に細胞外マトリックスを構成する分子のうち、最も豊富に含まれる糖タンパク質であるコラーゲンを対象として、その培養細胞中の空間分布を共焦点レーザー顕微鏡を用いて解析していたが、今年度は、本手法を細胞外マトリックス分子でありかつ高い保水性を有するヒアルロン酸に対して適用した。一定期間培養したマウス骨格筋細胞をパラフォルムアルデヒドで固定したのち、蛍光標識されたヒアルロン酸結合タンパク質を用いて固定細胞組織を染色した。染色された細胞組織を共焦点レーザー顕微鏡で観察したところ、蛍光染色されたヒアルロン酸は細胞組織の表面側に分布している様子が観察された。これは、昨年度のコラーゲンの分布とは反対の結果であり、比較的疎水性であるコラーゲンとは異なる分布であり、細胞表面が濡れやすく水分を保ちやすい表面を維持するための機能の一つとも考えられる。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18KK0416
ID情報
  • 課題番号 : 18KK0416
  • 体系的課題番号 : JP18KK0416