2015年3月
眼窩先端症候群様の症状を初発とした再発性多発軟骨炎の1例
宮崎県医師会医学会誌
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- 巻
- 39
- 号
- 1
- 開始ページ
- 34
- 終了ページ
- 38
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (公社)宮崎県医師会
外眼筋麻痺などの眼症状が先行し、軟骨炎に伴う症状が遅れて発症したため診断に難渋した再発性多発軟骨炎(relapsing polychondritis;RP)の1例を経験した。症例は81歳女性。前医への入院約1週間前より徐々に増悪する眼の違和感、咽頭痛、頭痛が出現した。前医入院時、左視力障害と左眼瞼下垂、全方向への左眼球運動障害など、眼窩先端症候群様の症状を呈していた。感染症を疑われ抗菌薬を投与されたが症状の改善はなく、当院転院となった。入院後に発熱、意識障害に加えて両側耳介の発赤腫脹が出現し、頭部造影MRIで左眼球後部から眼球壁全体(強膜と角膜)と左視神経に造影増強効果を、拡散強調画像で両側耳介に高信号(prominent ear sign)を認め、RPと診断した。ステロイドパルス療法およびプレドニゾロンの後療法を施行し、両側耳介の発赤腫脹と全身症状は改善した。後日抗II型コラーゲン抗体陽性であることが判明した。本症例では初発症状が比較的稀な眼症状に限定されたことならびに著明な全身症状を呈していたことから早期診断に難渋したが、経過中に出現した典型的な両側耳介の腫脹、発赤、疼痛により診断に至った。多彩な臨床症状のなかで典型的な所見を見逃さないことの重要性を認識した1例であった。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0389-8288
- 医中誌Web ID : 2015237885