基本情報

所属
西南学院大学 国際文化学部国際文化学科 教授
学位
Master of Philosophy(Graduate School for Philosophy, Sophia University, Tokyo)
修士(哲学)(上智大学大学院)
博士(哲学)(上智大学大学院)
Doctor of Philosophy by Dissertation(Graduate School for Philosophy, Sophia University, Tokyo)

研究者番号
60347614
J-GLOBAL ID
200901049108795724
researchmap会員ID
5000044777

外部リンク

研究の専門分野は哲学と美学。近現代、とくに20世紀のドイツ語圏の哲学と美学を専門領域とする。これまでヴァルター・ベンヤミンの言語哲学、歴史哲学、美学を軸に研究を進めてきた。このことを足場として、前世紀以来の破局の記憶が刻まれた美的表象を検討するとともに、その記憶を伝える道筋も探ってきた。現在はさらに、うたうことに開かれた言葉の可能性を、詩と音楽を往還しながら探究する美学とともに、近代史において「歴史」とされてきた物語の残余から歴史そのものを、破局が続くなかを死者とともに生き延びる可能性へ向けて捉え直す哲学を展開したいと考えている。

著書に、『燃エガラからの思考──記憶の交差路としての広島へ』(インパクト出版会、2022年)、『断絶からの歴史──ベンヤミンの歴史哲学』(月曜社、2021年)、『ヴァルター・ベンヤミン──闇を歩く批評』(岩波書店、2019年)、『パット剝ギトッテシマッタ後の世界へ──ヒロシマを想起する思考』(インパクト出版会、2015年)、『ベンヤミンの言語哲学──翻訳としての言語、想起からの歴史』(平凡社、2014年)などがある。訳書に、『細川俊夫 音楽を語る──静寂と音響、影と光』(アルテスパブリッシング、2016年)がある。芸術に関する評論も手がける。


書籍等出版物

  30

論文

  70

MISC

  107

講演・口頭発表等

  34

Works(作品等)

  4

委員歴

  13

主要な担当経験のある科目(授業)

  30

メディア報道

  1

共同研究・競争的資金等の研究課題

  8

学術貢献活動

  3

社会貢献活動

  1

その他

  9
  • 2023年10月 - 2023年10月
    認定NPO法人水俣フォーラムの主催により福岡アジア美術館を会場に開催された水俣・福岡展2023の協賛企画として開催された藤原辰史氏との対談。2023年10月29日に西南コミュニティーセンターにて開催された対談には多くの参加者が集まり、その模様は毎日新聞(12月1日付)でも報じられた。対談では、石牟礼道子が作品に刻んだ水俣の「生類の邑」の喪失を犠牲の世界史、そして水俣病に象徴される近代日本の公害の歴史が続く現在を照らす出来事として想起することを出発点に、生命と技術の関係を根底から問いつつ、生類の一つとして生き延びる道を探る議論が繰り広げられた。
  • 2023年8月 - 2023年8月
    Setouchi L-Art Projectとして福山のiti SETOUCHIで開催された福田惠の個展「一日は、朝陽と共に始まり、夕陽と共に終わる」のクロージングに際し、福田の祖父の1945年8月6日の記憶に光を当てた映像作品が上映された。その後、アーティストおよびこのプロジェクトのディレクター菅亮平氏とともにトークに出演し、展覧会と映像作品の特徴と意義について語った。
  • 2023年3月
    東京都交響楽団の月刊誌『月刊都響』(各月の演奏会のプログラムや曲目解説などを掲載)の2023年3月号に掲載されたジェルジ・リゲティ作曲《マカーブルの秘密》の歌詞対訳のために、ドイツ語の歌詞テクストの日本語訳を手がけた。以前に半田美和子氏のアルバム『Khora』(ETXTON)のために作成した同曲のピアノ伴奏版の歌詞の翻訳を基に、今回演奏される管弦楽版に合わせて改訳した。
  • 2022年11月
    拙著『燃エガラからの思考──記憶の交差路としての広島へ』(インパクト出版会、2022年)の刊行を記念して行なわれた行友太郎氏との対談。本書の概要を紹介した後、困難な時代における抵抗の文芸の可能性や、拙著で触れたそれによって媒介される「震撼させられた者たちの連帯」のことなどを、行友氏と続けてきた中国文芸研究会の活動にも触れながら語り合った。対談は、誠品生活日本橋の主催で、オンラインで開催された。
  • 2022年9月
    西南学院大学神学部の主催によるシンポジウム「『国葬』を考える」において、「近代日本の『国葬』という装置を問う」と題して発言した。哲学する立場から、近代日本の「国葬」という装置の問題を、歴史を省みながら指摘し、それが繰り返されることは内心の自由を侵すのみならず、多様な背景を持つ他者との共存とも相容れないとする立場を提示した。
  • 2022年9月
    2022年の夏、ほぼ時を同じくして拙著『燃エガラからの思考──記憶の交差路としての広島へ』(インパクト出版会)と渡邊英理の『中上健次論』(インスクリプト)が刊行された。本としての性格が異なる両者に、「路を仮設する」という共通のテーマがある。『燃エガラからの思考』は「核の普遍史」の暴力にさらされた者たちの記憶の交差路を構想する思考を、『中上健次論』は偶発的で脱中心的な「路地」を仮設する中上の文学思想を、「開発」に対する抵抗の可能性へ向けて展開している。こうしたテーマをめぐって、書肆侃々房のブックカフェ、本の
  • 2022年8月 - 2022年8月
    2022年8月22日にart space kimura ASK?で開催された、展覧会「ユダヤの傷と燃え落ちる夏の花」のオープニング・トーク。原民喜とパウル・ツェランの詩に触発された植田信隆氏の絵画を前に、ノンフィクション作家の梯久美子氏とパウル・ツェランの詩を専門とするドイツ文学研究者関口裕昭氏と、原民喜とツェランの作品を今読む意義を焦点に語りあった。
  • 2022年8月 - 2022年8月
    サントリーホールのサマーフェスティバル2022のテーマ作曲家であるイザベル・ムンドリーの自作解説ならびに彼女へのインタヴューを、同フェスティバルのプログラムに掲載するためにドイツ語から日本語へ翻訳した。フランツ・カフカのテクストにもとづく《彼》については、出典などに関する訳者註記を付した。
  • 2021年12月 - 2021年12月
    図書新聞第3523号に掲載された、ヴァルター・ベンヤミンの『パサージュ論』をめぐる高橋順一、竹峰義和との鼎談。このベンヤミンの未完の書が、資本主義とファシズムの問題を見据えながら、救済としての革命へ向けて近代の「根源史」を描き出そうとしていたことを縦横に論じた。