共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2023年3月

『誰でも安全に確実に下歯槽神経ブロックを奏効させるためのIANBデバイス』の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
21K16552
体系的課題番号
JP21K16552
配分額
(総額)
3,250,000円
(直接経費)
2,500,000円
(間接経費)
750,000円

下歯槽神経ブロック(下顎半分の広範囲な麻酔)は歯科において重要な神経ブロックである。しかしながら、その成功率は様々であり、術者や患者様の状態によっても異なる。これはランドマーク法(解剖学的な指標を参考にした盲目的な手技)による神経ブロックが大きな原因であると考えられる。超音波診断装置を使った方法(エコー)も不可能ではないが咽頭部であり、術野が狭く、嘔吐反射も発現しやすい部位であり、現実的ではない。そこで本研究はCTデータと光学スキャナのSTLデータを使用し、『誰でも安全に確実に下歯槽神経ブロックを奏効させるためのIANBデバイス』を3Dプリンタで造形し、その有用性、安全性、コストパフォーマンスを検証することを目的とする。 研究計画として令和4年度10月まで にIANBデバイスの作成、令和3年度10月までに設計と造形の確立及び途中経過報告、令和4年度中旬に国内または、国際学会発表、令和4年度中に論文作成することとしている。現在、IANBデバイスの設計と造形の確立を終了し、研究対象者は3例である。デバイスの作成及び神経ブロックの準備中である。目標は5例であるため、今後も募集を続ける。デバイスの設計と造形、精度、費用に関する途中経過報告を第49回日本歯科麻酔学会(2021年10月9日-2021年11月11日 オンライン)で発表した。発表結果を以下に示す。設計から造形までの時間は約330分、費用は2720円であった。精度は、ノギスによる計測で-0.18 mm、CTデータ上で-1.05 mmの誤差であった。通法よりも時間と費用は消費するものの針先の位置の正確さから臨床応用する価値は十分にあるものと考えられた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K16552
ID情報
  • 課題番号 : 21K16552
  • 体系的課題番号 : JP21K16552