2020年4月 - 2023年3月
幸福余命の算出と環境及び災害関連健康リスク評価への適用
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
- 課題番号
- 20H04354
- 体系的課題番号
- JP20H04354
- 担当区分
- 研究分担者
- 配分額
-
- (総額)
- 17,030,000円
- (直接経費)
- 13,100,000円
- (間接経費)
- 3,930,000円
本研究では、「幸福余命(幸福な気分で過ごす生涯の長さ)」と「損失幸福余命(失われる幸福余命の長さ)」の指標をリスク評価に適用する。男女別に幸福余命を算出し、損失幸福余命の指標を様々な環境及び災害関連健康リスク評価に用いる。本研究は、5つのサブテーマ(1. 男女別幸福余命の算出、2. 放射線及び環境関連健康リスク、3. 災害による疾病などの有病率と罹患率の算定、4. 各疾病などによる幸福度低下の評価、5. 環境及び災害関連健康リスク要因による損失幸福余命の算出)に分けて研究を実施している。
2020年度には、福島災害後の周辺自治体における生活習慣病の増加等の調査のまとめや水道水等のモニタリングデータの収集を進めるとともに、災害後における地域密着型科学のあり方や幸福余命指標の適用の意義などについて整理してきた。
具体的には、2010年と2017年の特定健康診断に参加した南相馬市民の生活習慣病リスクを、避難シナリオ別に評価したところ、避難シナリオにかかわらず、2010年から2017年にかけて、糖尿病は増加傾向、高血圧は減少傾向、高脂血症には顕著な変化がないことが明らかとなった。このように、環境関連のデータに加えて、災害関連健康リスク評価に活用するデータの準備が整った。また、災害後において、科学への住民の信頼を維持する上で、地域密着型科学の深化が求められ、どのような研究を行うべきかなどの価値観を、科学者、行政、被災者が一体となって議論したり、それらの研究の成果について被災者を含む社会の人々と共有したりすることが重要であると整理した。とりわけ、地域に密着したコミュニケーターと住民との対話において幸福の向上は主要な目標として設定されていることから、幸福余命の概念を用いたリスク評価の重要性が確認された。
このように、幸福余命の概念を用いたリスク評価に向けた準備を着実に進めることができた。
2020年度には、福島災害後の周辺自治体における生活習慣病の増加等の調査のまとめや水道水等のモニタリングデータの収集を進めるとともに、災害後における地域密着型科学のあり方や幸福余命指標の適用の意義などについて整理してきた。
具体的には、2010年と2017年の特定健康診断に参加した南相馬市民の生活習慣病リスクを、避難シナリオ別に評価したところ、避難シナリオにかかわらず、2010年から2017年にかけて、糖尿病は増加傾向、高血圧は減少傾向、高脂血症には顕著な変化がないことが明らかとなった。このように、環境関連のデータに加えて、災害関連健康リスク評価に活用するデータの準備が整った。また、災害後において、科学への住民の信頼を維持する上で、地域密着型科学の深化が求められ、どのような研究を行うべきかなどの価値観を、科学者、行政、被災者が一体となって議論したり、それらの研究の成果について被災者を含む社会の人々と共有したりすることが重要であると整理した。とりわけ、地域に密着したコミュニケーターと住民との対話において幸福の向上は主要な目標として設定されていることから、幸福余命の概念を用いたリスク評価の重要性が確認された。
このように、幸福余命の概念を用いたリスク評価に向けた準備を着実に進めることができた。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H04354
- 体系的課題番号 : JP20H04354