【目的】本研究は、一般成人女性を対象としたプロビオン酸菌由来のタブレットを投与し、便秘緩和と便臭軽減を検討することである。【方法】投与方法は、一般成人女性17名(平均年齢40.9±13.6)にプロビオン酸菌由来のタブレット3粒入り1袋(1.5g)を1日1回28日間投与した。便秘評価方法は、日本語版便秘評価尺度(CAS)を用いた。便臭評価は、便の臭気成分濃度の測定および自己評価による官能試験を用いて評価した。便の臭気成分濃度の測定のために、対象者には便を提供してもらった。排便の採取方法はフラットの紙オムツを便器内に置き、そこに排便をしてもらった。排出された便は、紙オムツごとビニールに入れて密封してもらった。排便の提供について同意の得られた対象者4名のみで行った。得られたデータは、記述統計およびKruskal-Wallis検定、Friedman検定を用いて投与前と投与7日目および投与14日目について分析し、7日間毎にどのように改善されるのか検討した。【結果】CASの全項目の平均は投与前5点から投与7日目3.46点、14日目3.36点と減少し、項目別では、「排便回数」に有意な減少がみられた。官能試験により便臭の減少が軽減する可能性が期待された対象者は7名であった。【結論】本研究は、プロビオン酸菌由来のタブレットの投与により、一般成人女性における便秘緩和と便臭軽減に対して有意な効果が示唆された。(著者抄録)