Profile Information

Affiliation
Professor, Graduate School of Science Center for Atmospheric and Oceanic Studies, Tohoku University
(Concurrent)理学研究科附属大気海洋変動観測研究センター センター長
Degree
Doctor of Science(Tohoku University)

J-GLOBAL ID
201301033112677794
researchmap Member ID
B000226753

External link

Research History

  1

Committee Memberships

  38

Papers

  252

Misc.

  103

Books and Other Publications

  10

Presentations

  558

Professional Memberships

  3

Research Projects

  13

Other

  16
  • Jun, 2003 - Jun, 2003
    人間活動によって大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が増加し続けており,地球の温暖化が顕在化しつつある.これまでのCO2濃度増加の主因は先進国の産業活動や大規模な森林伐採によるものであった.しかしヨーロッパ各国や日本などでは地球温暖化防止に向けて省エネルギー対策や森林の保護育成を積極的に進めており,これらの国々における最近のCO2放出量の増加率は以前に比べればかなり鈍ってきており,なかにはスウェーデンやドイツなどのようにCO2放出量が最近になって低下している国もある.一方,開発途上国からのCO2放出は以前には全く問題にならない程度であったが,これらの国々は人口が多いため,生活水準の向上に伴って今後CO2放出が大きく伸びると予測されている.特に中国をはじめとした東アジア地域では経済発展が急速に進行しつつあり,それに伴ってCO2放出量もかなり増加していると推定されている.ところが,例えば中国が公表している近年のCO2放出に関する統計データは必ずしもこのような推定を支持するものとはなっていない. 今後のCO2濃度増加を可能な限り抑制するためには,先進国に対するCO2放出量の削減はもとより,さらに途上国のCO2放出の規制も検討して行く必要がある.このような政策を推進するためには,これまで途上国がどの程度のCO2を放出してきたか,また今後それがどのように推移するかを正確に把握し,その実効性を評価することが重要である. 本研究では,東アジア地域の人為起源CO2放出量の変化を大気輸送モデルと大気観測データを用いて明らかにすることを目的としている.具体的には,我々が航空機や船舶などを利用して過去20年以上にわたって観測してきた西太平洋域における大気中のCO2濃度やその同位体データを再解析し,緯度・高度別の時系列データを作成するとともに,当該地域の現状把握を強化するために,ユーラシア大陸の風下に位置する日本列島に沿って新たな観測を展開する.また,我々のグループが開発した全球大気輸送モデルを東アジアにおけるCO2収支の詳細な取り扱いが可能なようにさらに改造し,これまでに公表されている人為起源CO2放出統計データを基にして各観測点におけるCO2濃度と同位体比の時間変動を計算する.観測と計算によって得られた両者の結果を比較することにより,風上側に位置する東アジア地域の人為起源CO2放出量に関する統計量の妥当性を評価する.
  • Nov, 2000 - Nov, 2000
    人間活動によって大気中の温室効果気体が急速に増加しており、気候が近い将来大幅に変化すると懸念されている。「地球温暖化」と総称されているこの問題に的確に対処するためには、濃度増加の原因を定量的に理解し、将来における大気中濃度の予測や濃度増加の抑制対策を可能にすることが不可欠である。 本研究においては、地球温暖化にとって最も重要な二酸化炭素(CO2)に焦点を当て、まず、地上基地に加え、船舶等の機動力を持つ手段を用いて、大気中のCO2濃度のみならず、その炭素同位体と大気中の酸素(O2)濃度を高精度で測定し、広域にわたる変動を詳細に明らかにする。次に、その結果を全球規模での炭素・酸素収支式および3次元大気輸送モデルを用いて総合的に解析し、今日大きな懸案となっている人為起源CO2の収支を定量的に明らかにする。 大気中のCO2濃度、その炭素同位体比、および大気中のO2濃度を同時に取り扱って炭素循環を解明する方法は、従来にない新たな視点からの取り組みであり、人為起源CO2の収支の解明に大きな発展をもたらすと考えられる。また、得られる知見は、IPCC (気候変動に関する政府間パネル)やCOP(気候変動枠組み条約締約国会議)における議論等に不可欠な情報を与えると期待される。
  • Apr, 2000 - Apr, 2000
    本研究は、GRIPコア掘削地点の北北西約315 kmに位置する分氷界上で1996年に新たに開始された深層掘削によって得られる良質な氷床コア(North-GRIPコア)を試料とし、GRIP 現場解析以来、相互協力を継続している日独の研究者が共同して実施するものである。その目的は、コアの物理的・化学的性質や温室効果気体などの大気成分について系統的かつ詳細な解析を行うことにより、氷床に記録されているイリノイ氷期以来の気候変動およびその関連要素について信頼できる情報を抽出することにある。本研究の結果は、日本隊が掘削した南極・ドームふじ深層コアの結果と直接比較できるので、南北両半球の気候変動における相違性あるいは類似性を明らかにする上で重要であり、来たるべき地球温暖化を予測するモデルの開発にとっても必須の基礎情報を与える。
  • Apr, 1998 - Apr, 1998
    本研究においては、CO2やCH4、N2Oの濃度と同位体比の高精度計測技術を確立した上で、広域にわたって各気体の濃度とその同位体比を測定することによってそれらの変動特性を明らかにし、得られた結果を大気輸送・循環モデルを用いて解析することによって循環を解明する。また、温室効果気体の同位体に関する情報は未だ限られているので、発生源や吸収源の同位体比および生成時や消滅時の同位体分別係数に関しても研究を行う。さらに、大気・海洋間おける気体交換に関与する諸要素を測定し、物理・化学・生物学的な支配過程を解明する。代替フロン等のハロカーボン類については、それらの濃度レベルが極めて低いので、まず高精度の計測技術を開発し、それを基にして大気中濃度の挙動を詳細に把握し、将来の濃度増加の予測と影響の評価を行う。