2017年4月 - 2020年3月
強誘電体の巨大分極を利用した超低損失ダイヤモンドパワーFETの創出
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究が目標として掲げる「ワイドギャップ半導体ダイヤモンドに対する効率的なキャリア誘起、低損失・高効率なダイヤモンドパワーデバイスの実現」に対し、「巨大分極を有する強誘電体」をゲートとした電界効果トランジスタ(FET)の形成により、実応用を指向したパワーFETデバイスの創出を目指す。2年目の研究課題として、初年度に明らかにされた「強誘電体をゲートとする事により効率的なキャリア誘起が可能である」という実験事実に基づき、「巨大分極を有する強誘電体ゲートおよびFET構造のダイヤモンド上への作製」に取り組んだ。
具体的には、巨大分極を有する強誘電体としてPb(Zr,Ti)O3(PZT)に着目すると同時に、ダイヤモンドに対してより大きなバンドギャップを有するAl2O3を中間層としたMFIS型ゲート構造の作製を試み、ゲート特性を検証した。
作製したMFIS構造に関して、ダイヤモンド上にALD堆積したAl2O3中間層の上にPLD法を用いて直接堆積したPZTが比較的良好な結晶性と強誘電性を示す事を明らかにした。また、PZT堆積に伴うAl2O3中間層の絶縁性の劣化も生じない事が分かった。一方、PZT薄膜堆積時のプロセス温度に関して、ダイヤモンドチャネルへのダメージを考慮すると、非常にプロセスウィンドウが狭い事が明らかとなった。
以上の事より、本研究の根幹となるダイヤモンド上に巨大分極を有する強誘電体ゲート構造の形成に関して、良好なデバイス動作を念頭に置いたプロセス条件および強誘電体材料の選定(より結晶化温度の低いBiFeO3など)、さらに実デバイス構造を用いた動作検証が最終年度の課題となる事を明らかにした。
具体的には、巨大分極を有する強誘電体としてPb(Zr,Ti)O3(PZT)に着目すると同時に、ダイヤモンドに対してより大きなバンドギャップを有するAl2O3を中間層としたMFIS型ゲート構造の作製を試み、ゲート特性を検証した。
作製したMFIS構造に関して、ダイヤモンド上にALD堆積したAl2O3中間層の上にPLD法を用いて直接堆積したPZTが比較的良好な結晶性と強誘電性を示す事を明らかにした。また、PZT堆積に伴うAl2O3中間層の絶縁性の劣化も生じない事が分かった。一方、PZT薄膜堆積時のプロセス温度に関して、ダイヤモンドチャネルへのダメージを考慮すると、非常にプロセスウィンドウが狭い事が明らかとなった。
以上の事より、本研究の根幹となるダイヤモンド上に巨大分極を有する強誘電体ゲート構造の形成に関して、良好なデバイス動作を念頭に置いたプロセス条件および強誘電体材料の選定(より結晶化温度の低いBiFeO3など)、さらに実デバイス構造を用いた動作検証が最終年度の課題となる事を明らかにした。
- ID情報
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- 課題番号 : 17H03248
- 体系的課題番号 : JP17H03248