2021年1月
【腎性貧血治療のこれまでと,その新しい展開】腎性貧血の発症機序
臨床透析
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- 巻
- 37
- 号
- 1
- 開始ページ
- 13
- 終了ページ
- 18
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (株)日本メディカルセンター
<文献概要>腎障害が主因となった貧血を腎性貧血と定義する.本稿では腎障害時のエリスロポエチン(EPO)産生(REP)細胞の機能を中心に解説する.REP細胞は腎の間質に存在しており,低酸素誘導性因子(HIF)がEPO遺伝子の転写を制御している.REP細胞は炎症性サイトカインなどにさらされると,EPO産生能をもたない筋線維芽細胞へと形質変換をきたす.その結果,腎の間質は線維化が進み,EPO産生は不十分となり,貧血が出現する.貧血により酸素欠乏に陥った細胞は障害されるとともに,残存するREP細胞のさらなる形質変換をもたらし,腎性貧血,尿毒症物質の蓄積の悪循環が起こる.以上,EPO産生の低下と腎障害進展の機序の研究は進歩が加速している.
- ID情報
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- ISSN : 0910-5808
- eISSN : 2433-247X
- 医中誌Web ID : 2021121090