2020年4月 - 2023年3月
社会性行動を制御する分子機構の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
- 課題番号
- 20K06872
- 体系的課題番号
- JP20K06872
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 4,290,000円
- (直接経費)
- 3,300,000円
- (間接経費)
- 990,000円
- 資金種別
- 競争的資金
本研究は社会性行動を制御する分子機構の解明を目指す研究である。令和3年度は社会性行動に関わる遺伝子として同定したS1遺伝子のノックアウトマウス及びヘテロマウスの解析を行った。解析は7週齢の雄マウスを用い、コントロールマウスには同腹の野生型マウスを用いた。 S1ノックアウトマウスの行動解析は昨年度行ったので、令和3年度はS1ヘテロマウスの行動解析を行った。コントロールマウスと比較して、S1ヘテロマウスは社会性認知の低下、反復行動の増加、を示した。しかし、S1ノックアウトマウスとは異なり、動性リスク行動は示さなかった。これらの結果から、S1ヘテロマウスが自閉スペクトラム症様行動を示すことを見出した。
また、S1ノックアウトマウスでは令和3年度に大脳皮質の解析を行ったため、線条体の解析を行った。S1ノックアウトマウスでは線条体のボリュームが減少しており、線条体の機能異常が衝動性リスク行動に関係している可能性が示唆された。現在はS1ノックアウトマウスの線条体の解析を行っている段階である。大脳皮質については新たに神経細胞の軸索起始部の解析を行ったところ、S1ノックアウトマウスでは前頭皮質と体性感覚野の神経細胞における軸索起始部の長さが減少しており、これらの神経細胞の活動異常が社会性行動の障害に関与している可能性が示唆された。
近年、自閉スペクトラム症者においてS1遺伝子の変異が同定された。この変異を再現するS1遺伝子の変異コンストラクトを作製し、発現を確認したところS1遺伝子の顕著な発現低下を見出した。この発現量はS1ヘテロマウスにおけるS1遺伝子の発現量と類似していた。現在はS1ヘテロマウスの脳組織の解析を行っており、S1ノックアウトマウスと同様の表現型を示すか解析している。大脳皮質のミエリン形成、ゴルジ染色によるスパインの定量、大脳皮質の層構造について免疫染色を行い、現在は定量中である。
また、S1ノックアウトマウスでは令和3年度に大脳皮質の解析を行ったため、線条体の解析を行った。S1ノックアウトマウスでは線条体のボリュームが減少しており、線条体の機能異常が衝動性リスク行動に関係している可能性が示唆された。現在はS1ノックアウトマウスの線条体の解析を行っている段階である。大脳皮質については新たに神経細胞の軸索起始部の解析を行ったところ、S1ノックアウトマウスでは前頭皮質と体性感覚野の神経細胞における軸索起始部の長さが減少しており、これらの神経細胞の活動異常が社会性行動の障害に関与している可能性が示唆された。
近年、自閉スペクトラム症者においてS1遺伝子の変異が同定された。この変異を再現するS1遺伝子の変異コンストラクトを作製し、発現を確認したところS1遺伝子の顕著な発現低下を見出した。この発現量はS1ヘテロマウスにおけるS1遺伝子の発現量と類似していた。現在はS1ヘテロマウスの脳組織の解析を行っており、S1ノックアウトマウスと同様の表現型を示すか解析している。大脳皮質のミエリン形成、ゴルジ染色によるスパインの定量、大脳皮質の層構造について免疫染色を行い、現在は定量中である。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K06872
- 体系的課題番号 : JP20K06872