共同研究・競争的資金等の研究課題

2022年4月 - 2025年3月

透析器の膜素材に注目した安全性の高い透析治療法の確立のための基盤研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
22K12909
体系的課題番号
JP22K12909
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

本研究の重要な目的に長時間治療(renal replacement therapy:RRT)時のpvp溶出の解明がある。実験は臨床条件を再現したin-vitro実験を行い、膜素材からの添加物質の溶出の特性を知ることを目的として実施した。対象の透析器(透析膜素材)はCRRTに最も頻用されているポリスルホン(PS)製造メーカーのPS膜透析器を用い、臨床治療と同様の24時間循環実験を実施した。実験では臨床条件を再現するため、透析器の膜面積を小さく循環流量も通常より少なくして実験を実施した。結果は膜素材に添付されているポリビニルピロリドン(PVP)は、時間経過とともに経時的に上昇を認めた。この結果は、研究代表者が2本の論文に報告している(Biochem. Biophys. Rep 2021; Data Brief. 2021)と同様に、短時間の循環ではPVPは、流量変化による影響より、時間的な要因で経時的に膜素材から溶出してくる結果と符合する。このことから、PVPの溶出には、材質が水分に浸された時間経過とともに溶出してくる可能性が示唆される結果であった。先行研究で報告したPVPの溶出は、PSだけでの比較で、他の膜材質での比較対象を行っていなかった。CRRT治療にはPVPを添加されている、他の合成高分子膜素材もあり、今後の研究目標の一つである。また今回の実験結果により得られた結果は、年内に論文としてまとめて投稿する予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-22K12909
ID情報
  • 課題番号 : 22K12909
  • 体系的課題番号 : JP22K12909

この研究課題の成果一覧

論文

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学術貢献活動

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