2010年9月
マレーシア、サバ州のダナムバレーにおける、ボルネオ・オランウータン(Pongo pygmaeus morio)の採食生態: 2回の一斉結実を含む、3年間の記録
American journal of primatology
- ,
- ,
- ,
- ,
- 巻
- 72
- 号
- 9
- 開始ページ
- 820
- 終了ページ
- 840
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.1002/ajp.20848
- 出版者・発行元
- 9
ボルネオ島マレーシア領サバ州のダナムバレーの原生林で、野生のボルネオ・オランウータンの食物と行動を調べた。2005-2007年の調査期間中に2回の一斉結実が記録された。26頭のオランウータンについて合計1785時間の観察記録を収集した。1466サンプルの食物を同定し、調査地内の果実生産量を調べる為に落下果実センサスを行った。s採食時間に占める果実の割合は最も高い(60.9%)一方で、葉(22.2%)と樹皮(12.3%)が採食時間に占める割合は、オランウータンの他(亜)種P. abeliiとP. p. wurmbiiよりも高かった。果実の採食時間は11.7%-100%という非常に大きな変動を示し、この値は落下果実量と相関していた。一斉結実季の採食時間割合は、全期間の平均値よりも高かったたが、果実季の終わりには、活動時間に占める休息の割合が増加し、採食が占める割合は低下していた。以上から、オランウータンは果実季に蓄積したエネルギーを使って、非果実季を乗り切る、という最小エネルギー戦略に適応していることが示唆された。
- リンク情報
- ID情報
-
- DOI : 10.1002/ajp.20848
- ISSN : 0275-2565
- PubMed ID : 20653008
- Web of Science ID : WOS:000280720200009