2001年4月 - 2003年3月
初期宇宙における非一様時空の進化とその観測的検証
文部科学省 科研費 若手研究(B)
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 1,900,000円
- (直接経費)
- 1,900,000円
- (間接経費)
- 0円
- 資金種別
- 競争的資金
1.一般相対論的電磁気学方程式の導出とパルサー磁気圏への応用
強磁場中における超高エネルギー粒子の生成・加速現象は,宇宙の構造形成及びパルサー等の天体現象を解明する上で本質的である。前年度は,4次元テンソルで書かれた一般相対論的電磁場の方程式を,3+1(ベクトル・スカラー)形式で導出した。今年度は,その基礎方程式をパルサー磁気圏の粒子加速問題に適用し,重力の効果(慣性系の引きずり)により粒子加速が起こりやすくなることを示した。
2.初期宇宙の相転移におけるブラックホール形成
力の統一理論によると,宇宙初期には真空の相転移が起こり,磁気モノポールが多数生成したと考えられる。私は1996年の論文で,ヒグス場の真空期待値がプランク質量程度のときモノポールは「粒子」として存在できず,膨張して「宇宙」になることを示した。このとき,膨張するモノポールをその側から見るとミクロなブラックホールに見える。今回,ヒグス場が別のスカラー場と結合するハイブリッドモデルでモノポールのダイナミクスを調べた。その結果,膨張するモノポールはやはりブラックホールになるが,モデルパラメーターを適切に選ぶとその質量は天体スケール(例えば太陽質量程度)になることが明らかになった。つまり,現在正体不明の天体MACHOsやその他のブラックホールの起源が,このモデルによって説明される可能性がある。
強磁場中における超高エネルギー粒子の生成・加速現象は,宇宙の構造形成及びパルサー等の天体現象を解明する上で本質的である。前年度は,4次元テンソルで書かれた一般相対論的電磁場の方程式を,3+1(ベクトル・スカラー)形式で導出した。今年度は,その基礎方程式をパルサー磁気圏の粒子加速問題に適用し,重力の効果(慣性系の引きずり)により粒子加速が起こりやすくなることを示した。
2.初期宇宙の相転移におけるブラックホール形成
力の統一理論によると,宇宙初期には真空の相転移が起こり,磁気モノポールが多数生成したと考えられる。私は1996年の論文で,ヒグス場の真空期待値がプランク質量程度のときモノポールは「粒子」として存在できず,膨張して「宇宙」になることを示した。このとき,膨張するモノポールをその側から見るとミクロなブラックホールに見える。今回,ヒグス場が別のスカラー場と結合するハイブリッドモデルでモノポールのダイナミクスを調べた。その結果,膨張するモノポールはやはりブラックホールになるが,モデルパラメーターを適切に選ぶとその質量は天体スケール(例えば太陽質量程度)になることが明らかになった。つまり,現在正体不明の天体MACHOsやその他のブラックホールの起源が,このモデルによって説明される可能性がある。