2019年6月 - 2022年3月
組織障害を光で知らせる褥瘡予防用皮膚被覆材の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
本研究では、褥瘡予防ケアの飛躍的効率化を目指し、褥瘡に至る前の軽微な組織損傷を検出できる皮膚保護材の開発を目的とする。ターゲットは傷害を受けた細胞から逸脱したATPであり、スキンブロッティング法により皮膚から非侵襲的に抽出されたATPをルシフェラーゼ反応により検出する。本年度はまず、(1) スキンブロッティング法の信頼性の検証、(2) スキンブロッティング法の妥当性の検証、および(3) In vitroにおけるATP検出システム開発に取り組んだ。
(1) スキンブロッティング法の信頼性:健常ボランティアの前腕の隣り合った2か所で、4名の研究者がスキンブロッティングを行い、測定値の級内相関係数により信頼性を検証した。その結果、評定者内信頼性はICC (1, 1) = 0.93、評定者間信頼性はICC (2, 1) = 0.80といずれも高い値を示し、スキンブロッティング法の信頼性が確認された。
(2) スキンブロッティング法の妥当性:インドネシアで行われた高齢者皮膚調査データの二次解析を行った。既に乾燥皮膚ではNGFb、紅斑皮膚ではIL-2の発現量亢進が知られているため、スキンブロッティング法によるこれらの検出強度を正常皮膚と比較した。その結果、乾燥皮膚におけるNGFb、および紅斑皮膚におけるIL-2の検出強度がいずれも正常皮膚に比べて有意に高く、スキンブロッティング法の弁別妥当性が証明された。
(3) In vitroにおけるATP検出システムの開発:ブロッティングメンブレンにATP標準液を段階希釈した水溶液を2 Lずつ滴下し、種々の条件下でルシフェラーゼ発光基質を反応させた。その結果、ブロッキング後に発光させた場合に明瞭なシグナルが得られた。
次年度は、ATP検出システムを更に改良し、確立したうえで動物実験を実施する。
(1) スキンブロッティング法の信頼性:健常ボランティアの前腕の隣り合った2か所で、4名の研究者がスキンブロッティングを行い、測定値の級内相関係数により信頼性を検証した。その結果、評定者内信頼性はICC (1, 1) = 0.93、評定者間信頼性はICC (2, 1) = 0.80といずれも高い値を示し、スキンブロッティング法の信頼性が確認された。
(2) スキンブロッティング法の妥当性:インドネシアで行われた高齢者皮膚調査データの二次解析を行った。既に乾燥皮膚ではNGFb、紅斑皮膚ではIL-2の発現量亢進が知られているため、スキンブロッティング法によるこれらの検出強度を正常皮膚と比較した。その結果、乾燥皮膚におけるNGFb、および紅斑皮膚におけるIL-2の検出強度がいずれも正常皮膚に比べて有意に高く、スキンブロッティング法の弁別妥当性が証明された。
(3) In vitroにおけるATP検出システムの開発:ブロッティングメンブレンにATP標準液を段階希釈した水溶液を2 Lずつ滴下し、種々の条件下でルシフェラーゼ発光基質を反応させた。その結果、ブロッキング後に発光させた場合に明瞭なシグナルが得られた。
次年度は、ATP検出システムを更に改良し、確立したうえで動物実験を実施する。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K22744
- 体系的課題番号 : JP19K22744