2018年4月 - 2021年3月
デジタル技術の応用による咀嚼運動に調和した補綴装置製作法の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
従来,咬合器上では咀嚼運動を含めた曲線的な顆頭運動の再現は困難であった.一方,近年になり下顎運動の測定データをクラウン咬合面形態に反映することの出来るシステムが開発され,ヴァーチャル空間での理想的な咬合接触を付与したクラウン製作が可能となった.本研究の目的は,①ヴァーチャル半調節性咬合器による直線的な偏心運動経路を反映したクラウン(Se-Cr),②被験者が実際に行った曲線的な偏心運動経路を反映したクラウン(Ec-Cr),ならびに③咀嚼運動経路を反映したクラウン(Ch-Cr)の咬合面形態を評価し,設定する下顎運動経路の違いが,クラウンの咬合接触に与える影響についてヴァーチャル空間で検証することである.
本研究に同意の得られた男性16名,女性5名を被験者として上下顎の印象採得,下顎運動測定装置を用いて偏心運動,咀嚼運動を測定した.その後,石膏模型を製作し,咬合器に装着した.下顎右側第二大臼歯を被験歯とし,模型上で仮想支台歯形成をした.技工用スキャナーで上下顎歯列をスキャンした後,測定した下顎運動データと模型データを統合した.これらのデータをもとに①咬頭嵌合位での理想的な咬合接触を付与したクラウン(Base-Cr),②Se-Cr,③Ec-Cr,ならびに④Ch-Crを設計した.4種類のクラウンデータはSTLデータとして出力し,画像重ね合わせソフトウェアでベストフィットアルゴリズムによる重ね合わせを行った.Se-Cr,Ec-Cr,Ch-CrそれぞれのSTLデータとBase-CrのSTLデータを重ね合わせ,咬合面形態の垂直的変化量の最大値を測定した.また,Ec-CrとCh-CrのSTLデータを重ね合わせ,下顎運動経路によるクラウン形態の変化を観察した.
本研究に同意の得られた男性16名,女性5名を被験者として上下顎の印象採得,下顎運動測定装置を用いて偏心運動,咀嚼運動を測定した.その後,石膏模型を製作し,咬合器に装着した.下顎右側第二大臼歯を被験歯とし,模型上で仮想支台歯形成をした.技工用スキャナーで上下顎歯列をスキャンした後,測定した下顎運動データと模型データを統合した.これらのデータをもとに①咬頭嵌合位での理想的な咬合接触を付与したクラウン(Base-Cr),②Se-Cr,③Ec-Cr,ならびに④Ch-Crを設計した.4種類のクラウンデータはSTLデータとして出力し,画像重ね合わせソフトウェアでベストフィットアルゴリズムによる重ね合わせを行った.Se-Cr,Ec-Cr,Ch-CrそれぞれのSTLデータとBase-CrのSTLデータを重ね合わせ,咬合面形態の垂直的変化量の最大値を測定した.また,Ec-CrとCh-CrのSTLデータを重ね合わせ,下顎運動経路によるクラウン形態の変化を観察した.
- ID情報
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- 課題番号 : 18K09666
- 体系的課題番号 : JP18K09666