共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

KOマウスを用いたミトコンドリア鞘形成メカニズムの解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
20K16107
体系的課題番号
JP20K16107
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

本研究ではSmdr3及びSmdr5遺伝子を欠損させたKOマウスの表現型を解析し,これら遺伝子がどのようにミトコンドリア鞘形成に関与しているのかを明らかにすることを目的としている。
SMDR3に対する抗体を作成し,免疫電子顕微鏡観察をしたところ,SMDR3は予想に反してミトコンドリアとは独立した2種類のnuageに局在していることが明らかになった。このnuageはpiRNAが局在するIntermitochondrial cementとは異なるnuageであり,これまでにその機能については全く解析されてこなかったものであった。本研究によりSMDR3に由来するnuageが精子ミトコンドリアの整列に関連することが明らかになった。SMDR3を培養細胞に過剰発現させると,SMDR3は単独で細胞質内にdropletを形成することから,SMDR3は細胞内に液-液相分離を引き起こすことで機能していることも明らかになった。
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Smdr5 KOマウスは精子形成過程で精子ミトコンドリアの内部構造に異常を呈し,ミトコンドリア鞘形成がうまくいかないことで雄性不妊となる。今回Smdr5を生殖細胞のみで発現するトランスジェニック(Tg)マウスを作成し、Smdr5 KOマウスに導入すると、雄性不妊がレスキューできることが明らかになった。さらにユビキタスに発現するSmdr5のファミリー遺伝子についても、生殖細胞のみで発現するTgマウスを作成し、Smdr5 KOマウスに導入しても雄性不妊はレスキューできたため,SMDR5の機能はそのファミリータンパク質と同様の働きを有していることが考えられた。したがって,これら2つのタンパク質は発現場所のみ違いがあるものの,機能は同じタンパク質であることが示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K16107
ID情報
  • 課題番号 : 20K16107
  • 体系的課題番号 : JP20K16107