共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

多機能化金ナノ粒子を用いた地層処分バリア材性能評価手法の創成

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K04990
体系的課題番号
JP18K04990
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

高レベル放射性廃棄物の地層処分において、圧縮ベントナイトや母岩は、処分場から生物圏への放射性核種の移行を遅延させるバリア機能を有することが期待されている。従って、それら材料のバリア性能を評価することが重要な研究課題の一つである。本研究では、このバリア性能を、金ナノ粒子を用いて評価する新たな手法の確立を目標として、3年の研究期間に、課題(1) 天然・人工バリア中の多機能化金ナノ粒子の移行挙動研究、課題(2) 多機能化金ナノ粒子を用いたバリア材中の化学的雰囲気の原位置測定に関する実験及び考察、を行う計画である。研究初年度の平成30年度は、比表面積の大きな金微粒子の表面を特定の配位子で覆い、任意の粒子サイズで可溶化、安定化を図った多機能化金ナノ粒子を用い、多機能化金ナノ粒子の安定性および天然バリア模擬材料であるケイ砂を充填したカラム中の移行挙動試験を実施した。選定した多機能化金ナノ粒子は金ナノ粒子をポリエチレングリコールで修飾したものである。紫外可視分光法により、これは実験室環境下では安定であることを確認するとともに、ケイ砂を充填したカラム中を透過させると、放射性トレーサであるHTOの移行挙動と比較すると、粒子サイズの大きなものほど移行が遅延すること、またカラム透過後の金ナノ粒子の粒径分布に粒子サイズが大きなものほど顕著な変化が生じていることを確認した。この現象の理解を深めるため、ナノ粒子およびカラムに充填したケイ砂試料表面の電子顕微鏡観察に着手した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K04990
ID情報
  • 課題番号 : 18K04990
  • 体系的課題番号 : JP18K04990