共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

ユーザ誘引のための複数仮想エージェントビヘイビアによる集団状況生成モデル

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K12090
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

本研究の目的は,日常生活環境に配置された複数の擬人化エージェントの行動(ビヘイビア)を制御することで,ユーザの行動誘発や促進をねらったアンビエントな集団状況を生成することである.
屋外広告環境においては,集団エージェントの広告に対する感情的リアクションに関する予備検討として,個別のエージェントが表出する表情がユーザに与える無意識的な気分変化に関して実験を実施した.イラスト,実人物画像から生成したCGとその動的・静的提示パターンをそれぞれ評価した結果,実人物のようなリアルな表情の動的変化においてユーザの気分が同調する傾向が見られた.
仮想グループ実習環境においては,エージェントグループの休憩・PCタスク・他グループへの関心・話し合いを示しつつ作業するグループ学習において,順位の変動が競争意識を高めることがわかった.この成果を国際会議(HAI)に投稿し再録された.また,作業の余裕状態に応じた顔表情に関し,簡潔なモデルにより競争状況に応じた表情変化を実装し,グループ間で異なる様相を提示することができたため,オンライン予備実験を実施した.
仮想教室環境においては,前年度に収集した日本語非母語話者1名と日本語母語話者3名からなる人数不均衡なグループによる日本語での共同作業(目的指向の討論)のデータコーパスに対して異文化コミュニケーションの障害の観点から分析を進めた.中国語母語話者が日本語母語話者に囲まれ,日本語でタスクを進める条件と,中国語母語話者同士で中国語を用いて進める条件を比較した.
加えて,学校でのいじめ防止での運用について検討を行った.文献調査を行った結果,いじめが起きた際に,加害者,被害者以外の周りの第三者(傍観者)の対応は,いじめの深刻化に大きな影響を与えることが分かり,いじめ場面において多数を占める第三者に適切な対応を体験から学習してもらうシナリオベースの活用方法を検討した.

ID情報
  • 課題番号 : 19K12090