共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

本邦における中枢性甲状腺機能低下症の診療状況および分子遺伝学的検討

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K10024
体系的課題番号
JP18K10024
配分額
(総額)
3,640,000円
(直接経費)
2,800,000円
(間接経費)
840,000円

本研究の目的は、本邦における中枢性甲状腺機能低下症(以下中枢性CH)の臨床像および分子基盤を明らかにすることである。本研究の結果を踏まえ、今後本邦においてFT4スクリーニングを導入すべきか否か議論していく予定である。
研究成果:2019年度は、引き続きTSH単独欠損症の分子遺伝学的解析につき検討をすすめた。TSH単独欠損症の遺伝学的解析(G2018-0007)として倫理承認を取得後に、対象症例の所属する施設より検体を収集した。対象症例は23例であった。このうち、母体バセドウ病による一過性甲状腺機能低下症2例、TBG欠損症1例、一過性の甲状腺機能低下症5例、同意取得が得られない症例1例を除外した。残り14例のうち、すでに他施設で遺伝子解析を行ってていた症例が6例いたことが判明し、残り8例の遺伝子解析をすすめた。今年度に7例の遺伝子解析を修了し、残り1例の解析を行っている。その他、依頼のあった数件の中枢性CH症例の遺伝子解析を行っている。
他施設での解析結果と合わせて、今年度成果を論文化する予定である。本邦において、中枢性CHの約半数はIGSF-1遺伝子異常であること、そのほとんどはFT4スクリーニングを行っている地域から出生した児であることが明らかになっている。FT4スクリーニングを実施してない地域では、中枢性CHが見逃されている可能性が示唆された。中枢性CHの臨床像の調査については、本邦で行われた二次調査のまとめからすでに治療状況や発達状況を確認している。
また共同研究者の在籍する山形県ではFT4スクリーニングを実施しており、平成30年度は7786件の検査を行ったが明らかな中枢性CHの患者は存在しなかった。令和元年度も現在まで、先天性中枢性CHの検出はない。今後、FT4スクリーニングによる中枢性CHの発見頻度など明らかにする予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K10024
ID情報
  • 課題番号 : 18K10024
  • 体系的課題番号 : JP18K10024