共同研究・競争的資金等の研究課題

2011年4月 - 2012年3月

クーリングが骨格筋酸素化動態に及ぼす影響

文部科学省  科学研究費補助金(奨励研究)  奨励研究

課題番号
23934012
体系的課題番号
JP23934012
担当区分
研究代表者
資金種別
競争的資金

[研究目的]
クーリングは,スポーツ活動時に体温や筋温の過度な上昇を抑制するために,主働筋や頭頚部をアイスパックなどで冷却するコンディショニング方法である.しかし,その生理学的効果は不明な点が多く,効果的な方法論は確立されていない.本研究では,運動間のクーリングが局所の代謝能と筋血流に及ぼす影響を検討するために,2回の自転車ペダリング運動の運動間に大腿部を冷却し,クーリング中およびクーリング後の骨格筋酸素化動態の経時的な変動を調査した.
[対象と方法]
本研究は,運動習慣のない健康な成人男性8名を対象とし,自転車エルゴメーターを用いて60%HRmax(W)の負荷で,60rpmを維持しながら30分間ペダリング運動を行った.運動終了後,10分間の休息時間を挟み,再び同様の負荷で30分間ペダリング運動を行った.休息時間には,アイスパックを用いて両大腿部前面を冷却するCooling条件と,座位にて安静にするNon-Cooling条件を設定した.全ての対象者は,Cooling条件とNon-Cooling条件による実験を異なる日に行い,各条件間には5日以上の間隔を設け,ランダムにクロスオーバーで実施した.骨格筋酸素化動態の測定として,右大腿部前面の組織酸素化指標(TOI),総ヘモグロビン量(Total-Hb),酸素化ヘモグロビン(Oxy-Hb)及び脱酸素化ヘモグロビン(deoxy-Hb)を経時的に記録した.同様に,右大腿部前面の皮膚表面温度及び筋内温度も経時的に記録した.各測定項目の経時的変動をCooling条件とNon-Cooling条件で比較した.
[研究成果]
Cooling条件では,10分間の冷却後に皮膚表面温度及び筋内温度は有意に低下した.一方,TOI,Total-Hb,Oxy,Hb,deoxy-Hbは,条件間で差はなかった.運動間に行うクーリングは,主動筋の皮膚表面温度及び筋内温度を低下させるが,局所の代謝能や筋血流に対しては著名な影響を与えない可能性が示唆された.

リンク情報
URL
http://kaken.nii.ac.jp/d/p/23934012.ja.html
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-23934012
ID情報
  • 課題番号 : 23934012
  • 体系的課題番号 : JP23934012

この研究課題の成果一覧

講演・口頭発表等

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