講演・口頭発表等

放射線グラフト捕集材を用いた瑞浪超深地層研究所の湧水中ふっ素・ほう素除去特性

日本原子力学会2008年春の年会
  • 弥富 洋介
  • ,
  • 瀬古 典明
  • ,
  • 笠井 昇
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  • 保科 宏行
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  • 植木 悠二
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  • 玉田 正男
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  • 尾方 伸久
  • ,
  • 杉原 弘造

開催年月日
2008年3月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
吹田
国・地域
日本

(独)原子力機構東濃地科学センター瑞浪超深地層研究所における研究坑道掘削工事において、掘削に伴って発生する湧水には、自然由来のふっ素(7.2$\sim$9.5mg/L),ほう素(0.8$\sim$1.5mg/L)が含まれている。そのため、環境基準値(ふっ素0.8mg/L,ほう素1mg/L)まで除去した後、河川に放流している。そこで、湧水処理の効率化のため、放射線グラフト捕集材を利用した湧水からのふっ素・ほう素の除去について検討を行った。放射線グラフト捕集材を用いたカラム試験及び排水処理設備における現場通水試験を行った結果、ほう素については、通液速度50h$^{-1}$において、捕集材体積の760倍の湧水量について湧水中濃度の95\%除去が可能であった。ふっ素についても、通液速度36h$^{-1}$において、捕集材体積の320倍の湧水量について湧水中濃度の95\%除去が可能であった。しかし、湧水中のふっ素のように高濃度の物質を低濃度まで吸着する場合は、捕集材の吸着性能が十分に発揮されず、ふっ素除去効率化を図るためには今後も検討が必要である。また、捕集材の再生利用について、カラムを用いたほう素の溶離・吸着試験を行った結果、1mol/L塩酸によって溶離が可能であり、捕集材の繰返し使用が可能であることを確認した。今後は、長時間処理の捕集材の耐久性・吸着性能の評価を行う予定である。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5012032