講演・口頭発表等

2020年8月22日

出芽酵母の薬剤耐性におけるゴルジ体へのカルシウム排出の関与

生物工学若手研究者の集い 第二回オンラインセミナー
  • 尾山 昌弘
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  • 佃 悠夏
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  • 山口 良弘
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  • 荻田 亮
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  • 田中 俊雄
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  • 藤田 憲一

記述言語
日本語
会議種別
口頭発表(一般)

本研究では,ドデカノールによる細胞内Ca2+レベルが上昇する機序,及び細胞内Ca2+レベルと薬剤耐性との関わりを検討した。カルシウム代謝やシグナル伝達に関わる欠損株の中で,ゴルジ体へCa2+を排出するCa2+-ATPase PMR1の欠損株はドデカノールに感受性となった。本株ではドデカノール処理によって薬剤排出ポンプPDR5の転写量が抑制された。一方,親株ではPMR1の転写量が低下し,GFP-Pmr1pが特定の局在を示さなくなった。以上より,ドデカノールがPMR1の局在に影響することでCa2+レベルを上昇させ,生育を抑制する可能性が示唆された。さらに,PMR1の欠損による薬剤耐性の抑制は,Ca2+の細胞内への蓄積に因らず,PDR5転写量の抑制に起因して発現する可能性が示唆された。