2004年5月
弥生炉を用いた$^{237}$Np核分裂断面積の測定
JNC TY9400 2004-005
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- 開始ページ
- 36
- 終了ページ
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 機関テクニカルレポート,技術報告書,プレプリント等
高速炉を用いたマイナーアクチナイド(MA)核種の核変換研究の一環として、高速中性子源炉「弥生」において、235Uに対する237Npの核分裂断面積比をバック・ツー・バック(BTB)核分裂検出器を用いて測定した。弥生炉の炉心中心、側部ブランケットをそれぞれ貫く、グローリーホール、グレイジングホールと呼ばれる実験孔における測定のため、小型BTB検出器を準備した。実験孔内の測定位置を変えることにより、核分裂断面積比の中性子スペクトル依存性を調べた。核分裂断面積比の測定結果を、核データライブラリ(JENDL-3.2、ENDF/B-VI、JEF-2.2、JENDL-2)を用いて計算した値と比較した。炉心中心における計算値は、約30\%の系統的な過大評価となることがわかった。計算値における核データライブラリ間のバラツキは、測定値との相違に比べると小さいものであった。また、C/E値には測定位置依存性が見られている。この30\%もの過大評価が核データの誤差に起因するとは考えにくい。本測定結果には測定精度の面で課題がある。波高スペクトルに対するアンフォールディング等により誤差の原因を取り除くことができれば、237Npだけでなく中性子スペクトル場を形成する235U, 238Uの核データ検証の参考情報として、本測定結果を活用できると考えられる。