看護師としての職業的アイデンティティを育むため、看護観の側面からアプローチした現任教育プログラムを開発し、その効果を、教育プログラムを実施したA県の3病院に所属する看護実践経験1年以上5年未満の看護師33名の、プログラム実施2ヵ月前・実施直前・実施直後・実施2ヵ月後の「看護師の職業的アイデンティティ尺度」(佐々木、針生(2006))を用いた職業的アイデンティティ、および看護観(藤井らの「医療系学生の職業的アイデンティティ」の下位尺度「医療職観の確立」の5項目中4項目を用いる)の測定から検討した。その結果、教育プログラムの実施により、看護師の職業的アイデンティティ尺度得点及び看護観に関する4項目全ての得点が有意に上昇し、教育プログラムが看護観を発展させ、職業的アイデンティティを高めたことが示唆された。また、看護観に関する4項目の得点と看護師の職業的アイデンティティ尺度得点には正の相関があり、看護観の発展により看護師の職業的アイデンティティが高められることが確認できた。