歌唱のピッチコントロールにおける聴覚フィードバックの役割を検討するため、歌唱者に妨害音を聴かせることでピッチコントロールの正確性がどのように変化するかを探索的に調査した。実験には声楽専攻の大学生・大学専攻科生が参加し、コンコーネ50番練習曲集の45番をターゲット楽曲として歌唱した。妨害音には、他楽曲の実験参加者自身による歌唱音声を用いた。妨害音があっても多くの場合大きなピッチエラーなく歌うことができたが、同一音符内でのピッチ遷移の様相に若干の差異がみとめられた。