共同研究・競争的資金等の研究課題

2003年 - 2005年

2次形式および保型形式と関連する種々のゼータ関数の相互関係の研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
15540049
体系的課題番号
JP15540049
配分額
(総額)
3,600,000円
(直接経費)
3,600,000円

研究代表者は、代数体および有限体上の一変数代数関数体のL関数の特殊値から定義されるシュティッケベルガー元に関するGross予想のTateによる精密化の一般化を、Ki-Seng Tan氏(台湾),Lee Joongul氏(韓国)と共同研究し,新しい予想の定式化に成功した。その予想に対する結果として、初等アーベル2-拡大の場合に、ある仮定の下でその一般化された予想を証明することに成功した。更に、いくつかの特別な場合にその予想を証明した。また、この研究と同時に、楕円曲線やアーベル多様体の算術的な性質について研究した。特に、有理数体上の楕円曲線のTate-Shafarevich群の3-partの非有界性を示した。これは既にCasselsにより確認されている事実であるが、本研究では楕円曲線の新しい族に対して証明したものである。更に、代数曲線のヤコビ多様体の算術的性質の研究として、一般Catalan曲線のHodge予想を証明した。またこれに関連して、Fermat曲線の合同ゼータ関数への応用を見込んで、ヤコビ和のpurity問題についてEvertsの問題を否定的に解決した。
共同研究者の佐藤は、pを素数とするとき,p進整数係数の対称行列でレベルpのものによる表現の局所密度について研究した。その局所密度を表現される対称行列に関する関数と見なしたときの一次独立性が桂田英典およびSchulze-Pillotによって証明されているが、広中由美子氏(早稲田大学教授)との共同研究で、彼らの結果をレベルがp-べきの場合に拡張した。得られた結果は、一般のレベルのEisenstein級数に関する基底問題への応用が見込まれる。また,2004年度に得られた特異級数の積分表示を用いて,直交群、一般線形群のEisenstein級数に対応するKoecher-Maass型Dirichlet級数が概均質ベクトル空間のゼータ関数として実現できることを証明した。藤井は、Riemannゼータ関数の臨界線上の偏角の変動の平均的挙動の研究を行い、新たに平均値定理を求める事に成功した。更に、リーマンゼータ関数の隣接する零点の間隔の分布に関連して、実部が1/2の場合のリーマンゼータ関数の値の平均的挙動に明示的な上界を与えた。また、偏角の多重平均に関していくつかの新しい結果を得た。大杉は、トーリックイデアルの極小生成系に関連して青木-竹村によって導入されたindispensable binomialについて、グレブナー基底による特徴付けを行うとともに、トーリック環のGorenstein性について研究した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-15540049
ID情報
  • 課題番号 : 15540049
  • 体系的課題番号 : JP15540049