2017年6月 - 2022年3月
水惑星学創成に向けた太陽系探査
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
本計画研究は、「第1段階(H29・30年度):はやぶさ2探査での観測データの取得準備、近傍観測」、「第2段階(H31・32年度):微惑星・水惑星・氷衛星の水・物質循環に関する地球科学データの抽出」、「第3段階(H33年度):微惑星・水惑星・氷衛星の水・物質循環モデルの構築」からなる。はやぶさ2探査が予定通り進行していることにより、本年度は、小惑星リュウグウのリモートセンシング観測およびそのデータ解析に従事した。得られたリモートセンシングデータから、リュウグウが、小惑星帯に存在した母天体の衝突破壊による破片の再集積で形成されたラブルパイル天体であり、その母天体は水-岩石反応を生じていることが明らかとなった。これらの結果は、査読付き原著論文としてScience誌(Kitazato et al. 2019; Sugita et al. 2019; Watanabe et al. 2019)やAstrophysical Journal Letters誌(Hirabayashi et al. 2019)に掲載されることとなった。
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リュウグウの解析に加え、計画班では、将来の火星地下県探査のためのツール開発も行っている。火星には凍土層や水-岩石反応で形成された含水鉱物層が地下に広域的に分布しており、地下圏探査の重要性が示唆されている(Usui et al. 2017 Nature)。我々は、レーダーサウンダー技術を応用し、地下水圏の露出部分であるクレーター壁や渓谷から内部へと続く、地下水圏の水平分布(右図のシンボル部分)を取得する技術を開発した。本技術を火星全域に展開することにより、これまで推察の域を出なかった火星地下水圏マップが作成され、表面地質マップとの対比により、火星表層(大気圏)と内部(水圏)との相互進化解明の鍵を握る地下圏進化への理解へと発展することが期待される。
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リュウグウの解析に加え、計画班では、将来の火星地下県探査のためのツール開発も行っている。火星には凍土層や水-岩石反応で形成された含水鉱物層が地下に広域的に分布しており、地下圏探査の重要性が示唆されている(Usui et al. 2017 Nature)。我々は、レーダーサウンダー技術を応用し、地下水圏の露出部分であるクレーター壁や渓谷から内部へと続く、地下水圏の水平分布(右図のシンボル部分)を取得する技術を開発した。本技術を火星全域に展開することにより、これまで推察の域を出なかった火星地下水圏マップが作成され、表面地質マップとの対比により、火星表層(大気圏)と内部(水圏)との相互進化解明の鍵を握る地下圏進化への理解へと発展することが期待される。
- ID情報
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- 課題番号 : 17H06459
- 体系的課題番号 : JP17H06459
この研究課題の成果一覧
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論文
3-
Nature Communications 12(1) 2021年12月 査読有り
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Earth, Planets and Space 73(1) 2021年12月 査読有り
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TRANSACTIONS OF THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCES, AEROSPACE TECHNOLOGY JAPAN 19(5) 654-659 2021年6月 査読有り筆頭著者責任著者