共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

口蓋形態の個体差を利用した新規個人識別法の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K10443
体系的課題番号
JP19K10443
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
4,030,000円
(直接経費)
3,100,000円
(間接経費)
930,000円

2021年度の研究計画における到達目標は,「識別能の確認と問題点の抽出・解決法の提案」,であった.
蓄積されたデータから成る生前資料データベースと,若干の形態変化を加えた仮想死後データを作成し,実際に照合を行うことで識別能の程度を検討するため,まずは生前資料データベースとなる相同モデル化データの作成,蓄積に着手した.相同モデル化する際には,STLデータとテンプレートの位置合わせを正確に行う必要があるが,口蓋部分のみでは位置合わせの指標となるレファレンスポイントの設定数が少なくなり,作成した相同モデルの再現性が非常に悪いものとなった.STLデータを使用して作成する相同モデルの形態再現性は後の照合作業の精度に大きくかかわるため,形態再現性を担保するための代替案として,歯槽骨を含む既存の相同モデルから口蓋部分を抽出する手法を考案した.歯槽骨を含む相同モデルを作成する場合はレファレンスポイントが多くなるため,形態再現性が高くなるものと考えられ,本手法を採用することとなった.
作成した相同モデルは口蓋部分のみの場合と比較し,大きなものとなるため,研究に必要な部分のみとなるよう,不要な部分を除外する必要がある.照合に用いる口蓋の範囲を決定には,形態変化の程度による識別能の変化を考慮することと,当初の目的である無歯顎の場合にでも対応できるよう,歯槽骨領域を除外することとした.照合に用いる口蓋部分の抽出作業はコンピュータ画面上で手動にて行うこととした.
社会実装を想定した際の本研究課題の問題点である,相同モデル作成の標準化(テンプレート,基準点,STLデータ画一化)と相同モデル作成に要する処理時間,画像・統計処理用PCのスペック等の詳細な検討は次年度以降に行うこととなった.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K10443
ID情報
  • 課題番号 : 19K10443
  • 体系的課題番号 : JP19K10443