共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

医薬ビッグデータ解析による革新的AI創薬手法の開発と難治性疾患治療薬の発見

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
18H03334
体系的課題番号
JP18H03334
配分額
(総額)
17,290,000円
(直接経費)
13,300,000円
(間接経費)
3,990,000円

本研究では、医薬ビッグデータと人工知能(AI)の基盤技術である機械学習を用いた創薬「AI創薬」を提唱し、それを実現するための情報基盤技術を構築する。開発手法で数千万個の化合物をインシリコスクリーニングし、予測結果をウェット実験で検証し、有望な治療薬候補化合物を同定することを目標とする。
平成30年度は、化合物、タンパク質、疾患に関する医薬ビッグデータを、インターネットや文献、データベースから適時収集して整備した。化合物に関する情報を、KEGGなど様々なデータベースから得て、情報解析可能な形に整備した。タンパク質に関する情報を、UniProtなど様々なデータベースから得て、情報解析可能な形に整備した。難治性疾患に関する情報は、OMIMなどのデータベースから得て、情報解析可能な形に整備した。
そして、化合物の標的タンパク質プロファイルを構築した。申請者はこれまでに化合物の標的タンパク質を予測する機械学習手法の開発に取り組んできているが、その拡張を行った。深層学習のニューラルネットワークで、化合物の標的タンパク質プロファイルを予測するためのモデルのプロトタイプを構築した。化合物の化学構造の適用範囲を考慮した予測モデルも構築した。
次に、疾患に対して効能を持つ化合物を予測する手法の開発を行った。疾患の多層オミックスデータを用いて、疾患の分子機序の類似性を評価する手法を開発した。現在、疾患の分子プロファイルの類似性とパスウェイ異常の類似性の2種類を計算するアルゴリズムを提案し、その性能の評価を行った。
予測結果が得られたら迅速に実験的検証に移れるように実験プラットフォームを構築した。抗がん作用を評価できる試薬やプロトタイプの手法で予測された化合物を用意し、がんに対する検証の準備を行った。嚢胞性線維症の治療効果は、CFTRへの作用などで評価するため、その評価系構築を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H03334
ID情報
  • 課題番号 : 18H03334
  • 体系的課題番号 : JP18H03334