2009年3月
溶液燃料体系への振動により引き起こされた中性子増倍率の変動
Journal of Nuclear Science and Technology
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- 巻
- 46
- 号
- 3
- 開始ページ
- 268
- 終了ページ
- 277
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.3327/jnst.46.268
- 出版者・発行元
- Atomic Energy Society of Japan
臨界安全の観点から、地震のような振動により誘起された溶液燃料の反応度を把握することは重要である。本紙は振動により形成された自由表面を持つ溶液燃料体系の反応度を、中性子増倍率の変動を評価することで明らかにすることを目的とする。この目的を達成するために、流体計算結果を反映した臨界計算を実施した。流体計算では、振動により発生する自由表面を算出するために有限体積法とVOF法を適用した。臨界計算では、連続エネルギモンテカルロ法を適用した。計算の結果、振動数と溶液高さと溶液幅の比(H/L)に依存する、3つの中性子増倍率の振動タイプが得られた。スロッシングが発生すると、中性子増倍率は大きく変動し、H/Lにより中性子増倍率の変動タイプが分類されるしきい値を持つ。そのしきい値は反射体の種類によらなかった。もしH/Lがしきい値(H/L=0.35)以上であれば、静止状態における中性子増倍率より小さな値で変動する。それとは逆に、H/Lがしきい値(H/L=0.35)以下であれば、静止状態における中性子増倍率より大きな値で変動する。本紙で示したしきい値は、従来の値より小さな値であることが明らかになった。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.3327/jnst.46.268
- ISSN : 0022-3131
- CiNii Articles ID : 10024729906
- CiNii Books ID : AA00703720