共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2020年3月

ALCAM/CD166のシェディング感受性を規定する分子機構と機能的意義の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業  特別研究員奨励費

課題番号
18J10571
体系的課題番号
JP18J10571
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
1,500,000円
(直接経費)
1,500,000円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

シェディングは、膜貫通型のタンパク質を細胞膜近傍で切断し、細胞外領域を可溶化して放出する翻訳後修飾機構である。特定の膜タンパク質のみシェディングされうるが、それらの膜タンパク質には共通するアミノ酸配列が存在せず、シェディング感受性を規定する分子機構やシェディングの機能的意義については不明な点が多い。悪性腫瘍や神経変性疾患の発症に関わる複数の膜タンパク質はシェディングされることが報告されているが、シェディング酵素の阻害剤は重篤な副作用から臨床応用が断念された経緯があり、シェディングそのものをターゲットにした治療法は未だ確立されていない。シェディングに着目することで、これまでにない診断や治療方法の確立につながる可能性がある。
ALCAM(Activated Leukocyte Cell Adhesion Molecule)は接着分子として知られ、癌細胞を含む様々な細胞に発現している。多くの固形癌ではALCAMの過剰発現が予後不良因子として報告されているが、一部の癌ではそれとは反対の結果が報告されており、癌種によってALCAMが発現する意義が異なる可能性があった。とくに膵癌におけるALCAM発現の意義に関しては相反する研究成果が報告されていた。
選択的スプライシングによって、シェディングを受けるストーク領域のアミノ酸配列が異なるALCAMスプライシング変異体が存在することを見出した。由来の異なる膵癌細胞に発現するALCAMスプライシング変異体の比率を検討した。スプライシング変異体を区別して解析することで、ALCAMが自身を発現する細胞に及ぼす多様性の一端を説明できる可能性がある。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18J10571
ID情報
  • 課題番号 : 18J10571
  • 体系的課題番号 : JP18J10571