共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

水生動物における安定同位体濃縮係数の変動要因:栄養生態と安定同位体の統合

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
20J00607
体系的課題番号
JP20J00607
配分額
(総額)
4,030,000円
(直接経費)
3,100,000円
(間接経費)
930,000円

生物体に含まれる核酸の濃度定量と炭素窒素安定同位体比測定のための手法開発を行った。まず、従来の元素分析計連結型質量分析計(EA-IRMS)の簡易的な改良により、微量試料での安定同位体比測定手法を確立した。次にバクテリア試料を用いて、安定同位体比測定に適した核酸抽出法の検討を行った。複数の市販の核酸抽出キットを使用し、それぞれの抽出物のDNA, RNA濃度測定と、上記の微量分析法での炭素窒素安定同位体比測定を行なった。その結果、ISOPLANTという抽出キットではタンパク質の除去効率・RNAの回収効率が高かった。この抽出物の安定同位体比を測定すると、窒素に関しては菌体の同位体比よりも約7‰低く、その差は安定していた。従って、ISOPLANT抽出によりバクテリアRNAの窒素同位体比が測定できていると考えられた。
生物体のリン濃度を測定するための改良湿式酸化法の開発を行った。酸化試薬中のペルオキソ二硫酸カリウム濃度とpH調整のための水酸化ナトリウム濃度を調整した試薬を作成し、リン濃度既知の標準動物・植物試料を用いてリン回収率を評価した。その結果、0.15 M NaOHかつ4% K2S2O8濃度の酸化試薬を用いることで、動物・植物試料ともにほぼ完全なリンの回収を実現した。
滋賀県内の3河川にて河川水・懸濁物・底生藻類・水生昆虫・魚類のサンプリングを行った。調査の結果、8月のハス遡上期にはハス密度の高い下流域で栄養塩濃度が高くなっていた。また溶存有機物の3D-EEM分析を行うとヤナ下流ではタンパク質様物質の明瞭なピークが検出され、遡上魚に由来する物質の付加が示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20J00607
ID情報
  • 課題番号 : 20J00607
  • 体系的課題番号 : JP20J00607