2012年5月
2011年東北地方太平洋沖地震に伴う中部日本における地下水圧変化
Geochemistry, Geophysics, Geosystems (Internet)
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- 巻
- 13
- 号
- 5
- 開始ページ
- Q05020\_1
- 終了ページ
- Q05020\_15
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.1029/2012GC004052
瑞浪超深地層研究所とその周辺では広域地下水流動研究などのため、複数のボーリング孔で地下水観測を実施しているが、2011年東北地方太平洋沖地震発生後に明瞭な地下水圧の変化が観測された。それによると、研究所用地のごく近傍では最大約15mの水圧上昇を示したが、研究所用地から離れた地域ではすべてのボーリング孔で数十cmから数m程度の水圧低下を示した。地震直後の地下深部における地下水位変化のパターンは、地震直後の体積歪変化の分布パターンと良い相関を示すことが言われている(膨張域で水位低下、収縮域で水位上昇)。地殻変動解析ソフトCoulomb3.1による体積歪の計算結果からは、研究所周辺ではおよそ2$\times$10$^{-7}$strainの膨張を示す。したがって、研究所用地から離れた地域におけるボーリング孔での水位低下は、東北地方太平洋沖地震に伴う体積歪の変化を反映している可能性が高い。一方、研究所用地のごく近傍で地下水位が大幅に上昇した要因としては、坑道掘削により平衡水位が低下していたところへの強制的な地下水の流入、及び、研究所用地を横断する遮水性の断層に微小なクラックが発生(開口)したことによる局所的な透水性の変化が考えられる。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.1029/2012GC004052
- ISSN : 1525-2027
- Web of Science ID : WOS:000304769400002